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中学受験に成功する家の共通点は「コミュニケーション」〜『頭のよい子が育つ家』著者・四十万 靖

2006年9月8日

(聞き手:中川 真希子=nikkeibp.jp編集)

「子どもは子ども部屋で勉強するのが当たり前」。我々大人は、そんな考えにとらわれていないだろうか。「子ども部屋で勉強しない小学生」が実は有名中学に続々合格している。200軒以上の家を丹念に回って、そんな“不思議”を見つけた人がいる。エコス・コーポレーションの四十万 靖(しじまやすし)代表取締役だ。人と環境に良い「家」づくりを支援する、住まいに関するコンサルティングを行っている。

四十万氏が8月に上梓した『頭のよい子が育つ家』は、中学受験に成功した子どもが住む家、11ケースを取り上げ、家の間取り、そこで子どもたちがどう受験勉強に励んだかを分かりやすく説明する。そして「できる子は、子ども部屋では勉強しない」不思議に対する答えは、家族と子どもたちとの“いい関係”に基づいた生活なのだ、と解き明かす。「家」を切り口にしているが、「家族のあり方」について考えさせる内容だ。

中学受験に成功した子どもと家族、彼らが住む「家」に共通する点や、だれもがいますぐ実践できる「よい子が育つ家になる工夫」などについて四十万氏に語ってもらった。

■どうして「中学受験生を持つ家」に着目したのですか?

四十万 私は住宅のコンサルティングをしています。私たちが描く理想の家とは、家族同士のコミュニケーションが取れる家、オープンな近所付き合いができる家、そんな空間があったことが記憶に残る家、です。その理想を追い求めるには、まず現在の日本の住宅状況がどうなっているか調べる必要がありました。

四十万 靖 エコス・コーポレーション代表

そこで、「家族の団欒」や「コミュニケーション」が欠けているに違いない、受験を控えた子どもがいる家庭に注目したのです。「お兄ちゃんが勉強しているんだから静かにしなさい!」とお母さんが弟や妹を怒る。勉強の邪魔にならないよう家族はテレビもつけずに静かにしている。受験に追われ殺伐とした生活をしているだろう家族の暮らしを調べれば、その舞台である「ハード」としての家の問題が分かるに違いない、と仮説を立てました。

6年間、延べ200軒のおうちに実際に伺い、1軒に約3時間くらいかけ、お話を聞く作業を繰り返してきました。そうすると、仮説と全然違う結果が出たんです! 受験に成功した子どもたちの家には、共通点がある。それが、「子ども部屋では勉強しない」だったのです。それと、そういう家庭は、みな仲が良い。みなさん親子関係を楽しんでいました。

弊社エコスで、首都圏に住む母親たちにアンケートを取ったことがあります。すると、回答者の実に75%が、「子ども部屋=勉強部屋」と考えていることが分かりました。そうした親の考えとは違い、お子さんたちはリビングのテーブル、台所のテーブル、和室のちゃぶ台といった、家族と交わるところで勉強していたんです。

2階の南側など、家のいちばん良いところを子ども部屋にしているケースが多くありました。それでも、子どもは子ども部屋に閉じこもっているわけではなかったんです。

next: 子どもは、空間を自由に使う天才なんですね…

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