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作り手のこだわりは、最後の一振りの塩のようなもの

■「惑星大怪獣ネガドン」の粟津監督は、3D のCG映画です。やはり同じようなこだわりがあるんでしょうか。

川口 粟津監督には自分のこだわりの質感というのがあります。私たちは「粟津フィルター」と呼んでいるんですが…。パソコンの中に入っているいろいろなフィルターに、さらに自分で手を加えて作るんです。大理石の石の模様とかを薄く引いて重ねたりして。そうすると、不思議と古い映画のフィルムの雰囲気が出てくるんですね。ほかにも古いフィルムにある引っかき傷を作ってみたりとか、いろいろ。

「ネガドン」に関しては、昭和30年代の怪獣映画のテイストを出そうとしていろいろと試行錯誤しています。それができるのは、やはり全カット自分で作れるからなんですね。

特撮怪獣映画好きを泣かせる要素高密度充填のポスター。画像では分かりにくいが、四つ折りにしたときの折れ目まで印刷してある

■もともと、作りたいものをとことん追うために独りで作っているんですもんね。コスト削減のためじゃなく。

川口 ほかの現場の人は、われわれが異常だと、監督がそこまでするなんてあり得ないと思っているかもしれません。けれど、最後の微調整というか、シェフが振る最後の塩、コショウみたいなものが、最終的な作品の質を左右する。僕らはそう思っています。

「惑星大怪獣ネガドン」〜映画づくりの新ビジネスモデルは3回連載です。第3回はこちらです。

※本文敬称略

山中 浩之

経済誌「日経ビジネス」副編集長。「ネガドン」の作者が狙う東宝特撮怪獣映画ど真ん中の世代。1995年の「ガメラ 大怪獣空中決戦」を見て以来、熱がぶりかえし、ついには今回の取材に至った。最近、元気がない日は「ネガドン」の予告編を見て気合いを入れている(特に「劇場予告編」がお薦め)。

深川 岳志

フリーライター。パソコン関係から演劇まで幅広いジャンルに携わる。特撮・アニメ関係では、伝説のSF大会「DAICON III」のオープニングアニメ制作のために、実家を開放し、自らセルに色を塗ったという経験の持ち主。

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