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初めての大仕事で「世界一の下請けになる」決意

2005年11月24日

(取材・文=梶山 寿子)

「アイジー・タツノコ」の船出は、順風満帆というわけには行かなかった。最初の仕事はOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)『機動警察パトレイバー』の下請けである。下請けの辛さも思い知らされたが、「やるなら日本一、いや世界一の下請けになろう」と石川は腹をくくった。

革新的なことをやり続けた石川だが、意外にも座右の銘は「長いものには巻かれろ」だという。自らの欠点を冷静に見極めて、自分たちに力がつくまでは、下手、下手に出て、相手と信頼関係を築くのだ。

「あのときは、手間のかからない理想的な下請けだったと思うよ。でも、ずっと下請けをやっていると疲弊してしまうとも思った。自分の社長としての存在価値もないしね」

東京国際映画祭「プロダクションI.Gスペシャル」で開かれたトークショーの最後に、サプライズで花束をもらい喜ぶ石川社長(10月30日、六本木ヒルズにて)。この日は47歳の誕生日だった。

このとき既に、石川の頭の中にはI.Gの進むべき方向が見えていたに違いない。

理想的な下請けとは、すなわち「安定した品質で、速く、安く作品を作る会社」である。当然、制作費はできるだけ切り詰めなければいけない。最初のころは、人件費を少しでも節約するため、経理や制作進行も社長の石川が自らやった。タツノコにバイトで入った当初のように、自分で車を運転してカットを回収したのだ。

「社長としての月給は25万円でボーナスはなし。接待費も一切使わなかった。それでも苦にならなかった。人間って満たされるから悩むんだよ。満たされていないときは悩まない。満たされない幸せってそういうことじゃないかな。一生懸命になれるもん」

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