社名変更で「タツノコの名前はなくても大丈夫」、社員に励まされる
当時も今も、タツノコのブランドや権利には興味はない──そう石川は繰り返す。
タツノコの創業者一族の親族となり、タツノコの名を冠した会社を設立したのは事実である。だが、「タツノコの名前に寄りかからなかったことだけは言いたい。もしタツノコの名前に頼っていたら、今のI.Gはなかった」と語気を強めるのだ。
実は、会社設立に際して、タツノコ側との確執がまったくなかったわけではないらしい。
「育ててもらった恩義もある。だから今まで封印してきた。そうやって虐げられたことが血肉となって今があるんだし…」と、石川はあまり多くを語らないのである。
その後、93年9月には「有限会社プロダクションI.G」と社名変更し、名実ともにタツノコから離れている。これはタツノコからの申し入れに従ったもの。社名から「タツノコ」をはずしてほしいと言われたのだ。
そのとき励みになったのは社員の反応だ。
「『社長、もうタツノコの名前はなくても大丈夫ですよ!』とすんなり受け入れてくれた。涙が出るほどうれしかった。この会社は行ける、と確信したんだよ」
時はめぐり、2005年7月、タツノコは玩具会社大手のタカラに買収され、創業者一族は同社の経営から退いた。
ひとつの時代が終わったのである。
※本文敬称略
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