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世界的人気でも存在感の薄い日本のコンテンツ産業

だが、グローバル・ビジネスとしての実力はどうだろうか。

アニメを含むコンテンツ全体で見ても、約124兆円(*注)といわれる世界のコンテンツビジネス市場のうち、約4割を占めるのはアメリカであり、日本のシェアは1割程度に過ぎない(2002年の統計)。また、市場規模は小さいながら中国、韓国が高い伸びを見せているのに対し、日本の成長率は2%前後で、GDPに占める割合も2%強にとどまっている。

コンテンツビジネスの売り上げ全体に占める海外市場の比重では、アメリカが17%に対し、日本は3%程度。国内市場に大幅に依存しているのは明らかだ。

つまり話題を呼んでいる割には、現状では国際競争力を持っているとは言い難い。逆に言えば、これからまだまだ伸びてゆく余地があるということだ。

*注: デジタルコンテンツ協会調べ。14のカテゴリーが調査対象。「Filmed Entertainment」「TV Networks: Broadcast and Cable」「Recorded Music」「Video Games」「Magazine Publishing」「Newspaper Publishing」などがある。

「どんな状況でもビビらない」お茶目な押しの強さ

そこで、石川の活躍に注目が集まる。日本の財産である高い技術を生かしてアニメを国際ビジネスとして開花させるには、優秀なプロデューサーの存在が不可欠なのだ。

日本政府のコンテンツ振興策の後押しもあって、監督やプロデューサー育成に大学も乗り出した。石川自身も、2004年秋から東京大学で特任教授として教壇に立つ。

だが、いくら大学で学んでも、身につかないものもある。

押井監督は、石川の強みをこんな風に表現する。

「社員と接すときも、ドリームワークスの社長に会うときも同じ。世界中どこに行ってもあの調子で、どんな状況でもビビらない。ブロークンな英語でどこでも通しちゃう(笑)。お茶目な押しの強さとでもいうのかな…。ビジネスの場でも、プライベートでも、『言ってダメでも損はしないから』と臆さない。それが最大の強みだね」

梶山 寿子

神戸大学文学部卒業。テレビ局勤務を経て、ニューヨーク大学大学院に留学し、メディア環境学を専攻。92年修士号取得。読売新聞米国現地版で記者として勤務した後、フリーになり、日米で取材、執筆を続ける。98年に帰国、社会・家族問題、ビジネス・トレンド、人物ノンフィクションを中心に、幅広い分野で執筆。TVコメンテイターとしても活動中。特に近年はアニメーションをはじめとするコンテンツ・ビジネスの取材に力を入れている。主著に、スタジオジブリのビジネスを追った『ジブリマジック』(講談社)、『家族が壊れてゆく』(中央公論新社)、『子どもをいじめるな』(文春新書)など。

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