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お客さんの喜びが自分の喜びに

■ 実際に公認会計士の仕事をするようになって、資格取得の勉強していたころに思っていたことと違う部分がありますか?

小長谷 勉強をしていたころは、「公認会計士の仕事は、自分の持っている知識を教えに行くのが仕事なんだろうな」と漠然と思っていました。でも、実際に仕事をするようになって、それは間違いだと分かりました。

経営者の方はすでに「自分の考え」をはっきりお持ちです。公認会計士の役割は、「経営に役立つアドバイスをすること」ではなく、「経営に役立つ情報が見つけられるよう、コーディネートする」要素の方が強いんじゃないかと今は思っています。

私も最初は、分厚い決算書類を作って経営者の方のところに行ってました。あるとき経営者の方から、「過去の売り上げ資料が欲しいんじゃない。明日、何が売れるのか、それが知りたいんだ」とお叱りを受けたんです。そう言われてみると、その通りなんですよ。自分は「経理屋」の発想しかもっていなかったんだと思い知らされました。

■ 勉強していたときとは違う「厳しさ」があるわけですね。

小長谷 確かに、厳しい指摘を受けてすごく落ち込むこともあります。でも、接している経営者の方が前を向いているのに、私が後ろ向きになっては駄目じゃないですか。だから、厳しい指摘を受けたら、「よし、経営者が、見たい数字をちゃんと見られる資料を作ろう」と思うようにしています。再チャレンジして作った資料を見て、「こういう資料が欲しかったんだ」と笑顔で言われると、本当にうれしいですね。

■ 勉強を始めたころは、「会計士はお金がもうかりそうなところが魅力的」と思われていたんですよね。実際に公認会計士として仕事をするようになって、この仕事のいちばんの魅力はどこだと感じていますか。

小長谷 お客さんがハッピーになることが自分のハッピーですね。実際にお客さんと話しをする機会が増えて、そこは大きく変わりました。机の上の勉強だけでは分からなかったことです。

資格を取得するまで長い時間、頑張ってきたのは、このためだったんだと実感しています。

三浦 優子

1965年、東京都町田市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業後、2年間同校に勤務。コンピュータとはまったく縁のない生活を送っていたが、1990年、コンピュータ業界向けの週刊新聞「BUSINESS COMPUTER NEWS」を発行する株式会社コンピュータ・ニュース社に入社。13年間、IT業界のメーカー、販売店などを対象に取材活動を行う。2003年4月、同社を退社し、現在はフリーライターとして取材、執筆活動を行っている。

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