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東芝EMIの「ベスト・クラシック100」(3)〜クラシック音楽を楽しむ人をもっと増やしたい

2006年4月12日

(聞き手:小林 佳代)

「クラシックは分かりにくい」と思われてきた

■「ベスト・クラシック100」の売れ行きを見ると、クラシック音楽には、非常に大きな潜在需要があったと分かります。これまでは何がクラシックCD普及の壁となってきたのでしょうか。

江口 よく言われるのは「分かりにくい」ということですね。例えば、「『ベートーベンの第九』のCDを買おう」と思った人が店に行くと、指揮者別、演奏家別に50種類ぐらいのCDが並んでいるわけです。どれを買ったらいいのか分からない。

東芝EMIストラテジックマーケティングカンパニーST3部制作ディレクター 江口 理恵氏

モーツァルトが聞きたいと思っても、ショパンが聞きたいと思っても、果たして、どのCDを買うのが適当なのか、見当がつかないのです。

本当は、指揮者や演奏家を覚えながらその音楽を堪能するのもクラシック音楽の大きな楽しみです。けれど、それには膨大な時間がかかる。クラシックには1曲1時間という曲もあって、聞くのにも時間がかかります。

クラシック音楽が作られた時代と今とでは、時間軸が全く違います。刺激的なものがいっぱいあふれた今の時代に、昔のままのプレゼンテーションでは、なかなか聞いてもらえないということではないでしょうか。現代人は忙しいですから。「ベスト・クラシック100」は、そういった点を解決しながら、クラシックの良さをうまく伝えられたのだと思います。

■クラシック初心者に、クラシック音楽の良さを伝えることを目的としたCDであることは、よく分かりました。でも、収録しているのが曲の抜粋だったり、一部分だけだったりということで、いわゆるクラシックファンから、批判を受けませんでしたか。

江口 私たちも批判が出るかもしれないと覚悟していました。ですが、ネガティブな意見はほとんど出ませんでした。

意外なことに、初期の購入者は40〜50代の男性が中心でした。いわゆるクラシックファンですね。売れ始めて、メディアに取り上げられる機会が増えると、女性の購入者が増え、年齢層も若くなっていきました。

入門者向けと言いながら、音楽の内容は全く媚びていない。この点がクラシックファンにも評価されたのではないかと思います。彼らが愛してやまないカラヤンやラトルの指揮した曲、ベルリン・フィル、ウィーン・フィルなど一流の演奏家が演奏した曲をきちんと収録している。コアなクラシックファンが聞いている良質な音楽を凝縮したCDなのです。

「良い音楽のさわりをこんなに聞けるならいいね」という声をよく聞きました。とてもうれしかったですね。

next:「クラシックは特別な音楽ではない」…

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