ミズノのゴルフボール「クロスエイト」(3)〜改善重ね、プロジェクト開始から5年で発売へ
(聞き手:小林 佳代=フリーライター)
2000年に、極秘プロジェクトとしてスタートしたミズノのゴルフボール開発。発売までには5年の歳月を費やした。市場動向の見極め、プロ選手からの厳しい指摘などが理由だった。
■極秘プロジェクトがスタートしてからクロスエイト発売まで、5年かかっていますね。それだけ技術的に乗り越える壁が大きかったということですか。
小川 いいえ、技術的にはプロジェクトのスタート後から1年ぐらいである程度のメドはついていました。発売の時期は、ボール市場の動向を見極めて決めました。

小川 雅央 氏/商品開発部技術開発室主任技師
2008年にはゴルフ規則が改正され、クラブに「高反発規制」が適用されます。競技では、反発係数0.83を超えるクラブはルール不適合となる。そうすると、「良く飛ぶボール」が求められることになるので、ビジネスチャンスになります。
当初、創業100周年である2006年にクロスエイトを発売してはどうか、という声も社内にありました。しかし、2008年の反発規制導入までに、「良く飛ぶボール」として市場に認知してもらい、信頼の置けるブランドとして確立しておくには、3年はかかると考えました。そこから逆算し、2005年の発売を決めました。
■逆に、もっと早く発売することは考えなかったのですか。
小川 技術的な開発のメドは立っていたものの、プロジェクト開始時に経営陣から与えられたミッションの一つ、「プロ選手が試合で使えるボールを開発すること」という課題をクリアするのに時間がかかりました。
クロスエイトは佐藤信人プロ、平石武則プロらの協力を仰ぎながら開発を進めました。最初にプロ選手の所へ行って試してもらったのは2001年です。この時はミズノのボールに対する信頼感がありませんから、ボロボロに言われました。「試合で使うにはほど遠い」とか「考えが甘い」とかね。
ただ、私たちも、真剣に新しいボールを開発しようと情熱を傾けていました。その意気込みがプロ選手にも伝わったのでしょう。いろいろとディスカッションしていくうちに、「このボールはブレが少ない」とか、「飛距離もばらつきがない」といったプラスの評価が出てくるようになりました。「向かい風にも負けないような構造にしてほしい」といった、建設的な意見も出てきました。
next: プロ選手の感覚に合うよう改善を…
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