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企業Webサイトと巨大システムは違うという声もあるだろう。だが、「東京証券取引所システムダウン」で、「東証ってバックアップシステムないの?」といぶかしく思った同業者は多い。企業Webサイトでは一般的ではないが、時刻認証など信頼性が問われるサービスでは、バックアップシステムを用意するのは必要不可欠である。ましてや我が国の経済を司る基幹システムに、バックアップシステムがない(もしくはあっても機能しない)のは不可解というしかない。

まして「東京証券取引所システムダウン」の原因が、プログラムの欠陥だったとなっては、企業Webサイトと巨大システムの違いなどないだろう。ご存知のように、どんな小さなシステムでも、最初から正しく作動するとは限らない。そのためにプログラムをチェックし、バグをなくすのは制作者の義務でさえある。もちろん、様々な悪条件があったのかもしれないが、これも「モノづくり」の良心に関わるというのは酷にすぎるだろうか。

企業Webサイトでも「モノづくり」の良心が危機

企業Webサイトでもトラブルは少なくない。これまでで最も驚いたのは、「24時間ダウン事件」である。あるプロジェクトに関わっていた時のことだった。基幹になるシステムが、24時間でダウンするという現象が発生し、担当した会社では、かなりの日数を対策に費やした結果、「サーバを増強せよ」ということになったのである。普通のエンジニアなら?マークの増強だろう。そこで別のスタッフが調べたところ五分もしないで原因が判明したのだ。

わかりやすく説明すると、ある動作のためのプログラムを終了する記述がなかったのである。そのため、終了されるべき動作が延々とつづき、24時間でハードがギブアップしたという単純ミスであった。それだけなら笑い話かもしれないが、その担当会社は、その後の開発から外れ、にもかかわらず、しっかりと多額の請求を行い、ほぼ満額の支払いを受けたのであった。

極端にいえば不良の成果物で、売上げを達成したわけである。果たして、耐震強度が脆弱なマンションを建設し、平気で販売していた一連の事件と、どこが違うのか。

もちろん特殊な例かもしれない。しかし、SSLのない申込ページ。購入情報の詳細をメールで担当者に送るショッピングサイト。ブラウザ依存のタグを多用するページ。それより以前に、ページエラーのアラートが表示される企業Webサイトが存在していることそのものが、「モノづくり」の良心が我が業界でも危機に向かっている証左ではないだろうか。

帰ってきた顰蹙の魔王

今は考古学の対象となったパソコン通信の時代。筒井康隆の朝日新聞連載小説『朝のガスパール』(1991年10月〜1992年3月 朝日新聞社刊)と、その同時進行ライブ電脳筒井線(朝日新聞社刊)に登場。Web制作の現場に密かに生息中。その毒舌が再びよみがえる。

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