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姉歯事件は建築業界だけじゃない!

2006年1月11日

「もっと安く」「断ると仕事が来ない」は他人事?

耐震強度偽装問題が、マスコミをにぎわせている。該当するマンションに住んでいる方々のことを考えると、たまらない思いがするが、国会で発言している関係者を見ていると、いかにもという面構えばかりで、責任をなすりあうのも、彼らなら、むべなるかな、という感じさえしてくる。

ところが、この事件の主役である姉歯元建築士に対しては、違った印象が残るから不思議だ。もちろん、彼が行った偽装は、どのような事情があっても許されるものではない。そうはいうものの、ワイドショーかなにかで「建築士としての責任を、どぉ考えてるんでしょうねぇ」と、したり顔で曰う評論家のセンセーには違和感を覚えてしまう。

それは、「気持ちは理解できなくもない」に近いかもしれない。報道によれば、「もっと安くしろ」「鉄筋の数を減らせ」といわれ、「断ると仕事が次の依頼は来ない」と思い偽装したとのことである。たしかに、建築という「モノづくり」に関わる者が、その良心を放棄したことは、糾弾されるべき点である。

しかし「もっと安く」──なんと聴き慣れた言葉だろうか。さすが強圧的に「安くしろ」といわれる例はないにせよ、「予算がないんですよ」「次は考えますから、今回だけは」「上司にいわれて立場が」など、つまるところ「もっと安く」である。

では「断ると仕事が来ない」はどうだろう。それより以前に、ソフトな「もっと安く」の依頼を断る同業者はどれ程いるのだろうか。六本木ヒルズで、球団や政治に大活躍しているITの旗手ならいざ知らず、「もっと安く」といわれ「ご冗談でしょ」と答える勇気のある同業者は、知っている限りでは皆無だ。結局のところ「断ると仕事が来ない」という心理が、企業Webサイト制作現場でも多かれ少なかれ働いているわけである。

たしかに偽装は無理にしても

企業Webサイトの制作現場では、発注者側が「このプログラムを減らせ」とか「このhtmlの記述をやめろ」ということはない。逆に、そこまでいえる発注者ならば話も早く仕事も進む。

しかし、手抜き・チェックミス・使いまわし・パクリなど姉歯元建築士のように「モノづくり」の良心を放棄したような例は、自戒のこめて意外と少なくないような気がする。

たかが企業Webサイトやシステムだから、耐震強度の偽装ように大問題にならないし、そんなに影響もないと思うかもしれない。

ところが、まだ記憶も生々しい11月1日の「東京証券取引所システムダウン」、8月初旬の「羽田空港電源ダウン」など、企業Webサイトではないがシステム障害が、社会生活に大きな影響を及ぼした例もある。

next: 企業Webサイトと巨大システムは違うという声もある…

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