現時点の評価では、ネットが一番効くメディアということでしょうか?
渡辺 ネットでは、消費者が自分でアクションをとらなければ情報は届きません。一方、買う気のない人にとってのナンバーワン・メディアはテレビです。しかし、その効果は少しずつ薄れています。
ネットやテレビを含めて、お金をかけて買うメディアでは、どれが一番効率がよいのか。それを見極めるには、買う気がない人、買う気のある人、買った後の人というように、全体のプロセスにおけるステージの違いによって分け、それぞれ具体的に分析するしかありません。すべてのステージでナンバーワンになったとき、完全制覇と言えるんです。
テレビがナンバーワンなのは、国内で年間2兆円もの膨大な費用を投じているからです。買う気のない人に対して大量のエネルギーを使っているわけです。この因果関係を勘違いしている人が多いのではないでしょうか。80年代は消費者の感情を盛り上げるのに有効でしたが、今のテレビにはその力がありません。しかしブランド力を高めるには、やはり必要なメディアです。テレビをやめるというのではなく、それぞれのメディアを効果的に使って、効果測定をきちんとすることが大事です。テレビも効果のある使い方をするならいいんです。
ネットマーケティングの先進国である米国の手法を意識していますか?

渡辺 米国はこうだから、というのではなく、日本型のマーケティングをやりましょうというのが私の考えです。じっくり研究して、米国のやり方はダメだと結論を出しました。米国型では、メーカーは勝者になれません。
自動車のマーケットは、日米で大きく異なります。米国で成功していると、日本の自動車メーカーに勤めている人でさえ、それにならわなければと錯覚してしまいます。惑わされて米国モデルを導入しようとする人に、「やめましょう」というのが私の仕事だと思っています。
POS(販売時点情報管理)によって顧客の行動データを取得できるようになって、マーケティングは大きく進化しました。データがリアルタイムに入ってくるネットは、宣伝だけでなく、いろいろな企業のビジネスを変えます。講演では、ホンダが実行してきた手の内の一端を明かすので、そのヒントにしていただければと思います。
(ライター 加藤 さこ)
渡辺氏の講演(専門トラックAの特別講演)は、11月1日(水)13:25~14:05です。聴講には申し込み(有料)が必要です。講演概要・お申し込みのページへは、下のバナーからアクセスできます。
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