ネット上の広告・販促などのマーケティング手法としては、バナー広告やインターネットCM(動画広告)、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告などがありますが、これらの利用度や人気に変動は起こっているでしょうか。あるいは変動の兆候は、どこかに現れているでしょうか。
織田 米国のネット広告市場は現在、年率25~30%程度で伸びています。最大の推進役は、検索連動型広告です。バナーは比率からして下がりつつあります。
ブロードバンドの普及、ブログやSNSなどのCGM(コンシューマ・ジェネレーテッド・メディア)の爆発的な伸びから、ネットCMや、多数のニッチ・個人メディアを串刺しにするようなコンテンツ連動型広告、そして消費者のネット上の行動を追いかける行動分析型ターゲティングなどがこれから伸びていくと考えられます。
ブログやSNSなどのオンライン・コミュニティを利用したクチコミ・マーケティングの手法は、日本国内でも急速に関心が高まっています。CGMの先進国である米国では、オンライン・マーケティングでのクチコミ利用はすでに普通に日常的に行われているのでしょうか。
織田 大手企業がブログやPodcastなどを使ったキャンペーンを手がけていますし、エンターテインメント企業を中心にSNSを使ったプロモーションは一般化しつつあります。
また大手企業の中にも、消費者に広告を作らせてキャンペーンを行う「オープンソース・マーケティング」を手がけているところがあります。今はまだ先端的な企業に多いのですが、徐々にすそ野が広がっていくのではないでしょうか。
クチコミを使ったマーケティングと従来手法のマーケティングで、大きな違いがあるでしょうか。
織田 従来の広告では、製品に対する期待を高めて販売につなげることを行ってきました。つまり製品やサポートに問題があっても伝えないことが前提になっています。
ところが“消費者がメディアになった”時代では、現実の製品や広告のウソが簡単に他の消費者に伝わってしまいます。場合によっては、ウソを語った企業の批判がブログなどで一気に広がり、結果として商品が生産中止に追い込まれたりしています。
企業と結び付いた意図的なクチコミの発信・流布が、消費者を惑わせるとの批判もあるようです。対策は打たれているのでしょうか。
織田 “ステルス・マーケティング”と呼ばれるように、一消費者のふりをして企業がクチコミ・サイトにコメントを書いたり、ブログを始めたり、お金をブロガーに払って書いてもらっていることを隠したりすることがばれて、“炎上問題”などを起こして企業の評価が下がる事件が過去に多数ありました。
そこで、米国のクチコミ・マーケティングの業界団体では倫理基準を設け、クチコミ・マーケティングを行う際の情報公開を業界全体で推進するよう働きかけています。
織田氏の講演(キーノート・トラックの特別講演)は、11月1日(水)11:45~12:25です。聴講には申し込み(有料)が必要です。講演概要・お申し込みのページは、下のバナーからアクセスできます。
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