第1回 米デジタル・メディア・ストラテジーズ 織田 浩一 代表・「Ad Innovator」編集長~マーケティングはネットへシフト米国同様にテレビ離れが始まる
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの新しいネット・メディアの台頭や、携帯電話の双方向メディアとしての急速な進化によって、企業と消費者とを結び付けるマーケティングの手法や概念は大きな変革期を迎えている。
この機をとらえ、日経BP社は“Web2.0&モバイルが拓くマーケティング・イノベーション」をテーマに、11月1日(水)にイベント「Net Marketing Forum 2006」を開催する。
本コラムでは、同イベントの講演者に講演のテーマやネット・マーケティングに関する現状認識・問題意識などを聞く。
第1回はキーノート・トラックの特別講演「マーケティングは対話になった」(仮題)に登壇する米デジタル・メディア・ストラテジーズ代表の織田浩一氏。米国シアトルを拠点に活動しており、欧米の広告やメディアのコンサルティング事業を手がけるかたわら、ブログ「Ad Innovator」の編集長としても活躍中だ。
(聞き手はネット事業推進センター 井出 一仁)
米国ではペプシやP&Gなど、広告宣伝費のポートフォリオをテレビ中心からインターネットへと大胆にシフトする動きが報道されています。いったい何が彼らをそうさせているのでしょうか。

織田 大きく5つの要素があると思います。
まず、市場がマス製品からライフスタイル別製品へと転換していること。次に、ターゲット消費者のメディア接触状況がテレビからネットへシフトしていること。3番目が、“CM飛ばし”などを含めて、情報洪水時代におけるテレビCMという手法への疑問がわき起こってきたこと。4番目は、テレビCMで投資対効果をきちんと説明できないこと。5番目は、視聴者が減りつつあるにもかかわらず、テレビCMのスポット単価が高騰してきたことです。
日本では、テレビからネットへのシフトは、米国ほど顕著になっていないようですが、その理由は何でしょうか。
織田 米国では1980年代にケーブル・テレビがスタートしたことで、テレビ視聴者の細分化の流れがネットの前に始まっていました。一方、日本ではCS/BS放送もそれほど力を持たなかったので、地上波テレビ局がいわば独占的な状況にあったわけです。
しかし、ブロードバンドの爆発的な普及によって、こうした状況が大きく変わりつつあります。実際に、キリンの発泡酒「極生」は発売時のキャンペーンにテレビCMを使っていませんし、日本でも特定の商品から始まるでしょう。
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