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平成9年の著作権法改正により、「送信可能化権」が創設され、著作権の対象となっているファイルが、他のユーザーのリクエストなどによって送信できる状態に置かれているだけで著作権の侵害行為になることが明示された。

つまり公衆送信権の侵害が成立するためには、有料であることや営利の目的であることは必要なく、無料や非営利目的で公開した場合でも公衆送信権(送信可能化権)の侵害行為は成立する。

また、匿名のネット掲示板への書き込みにも、通常著作権がある。

「2ちゃんねる」上のやりとりを「電車男」として新潮社は出版してベストセラーになったことは記憶に新しいので、知っている読者は多いと思う。これが可能になったのは、2ちゃんねる側がその掲示板使用に際して、書き込まれた時点で2ちゃんねるに著作権が帰属する旨事前に了解をとって使用させているため出来たのであって、新潮社は2ちゃんねる運営者だけと交渉することで出版が可能になった背景がある。ユーザーに対して著作権上の取り扱いについて、たとえば、「この掲示板に書き込まれる内容の著作権については全て当社に帰属する」というように予め明記されている場合である。

このほかホームページやネット掲示板についてはいろいろな著作権上の制約がある。参考までに、財団法人インターネット協会のホームページに「インターネットを利用する方のためのルール&マナー集」が掲載されており、著作権を侵害するケースの記載内容がある。

一部、確認のために同サイトから抜粋「引用」した内容を紹介しておこう。

  • 他人のホームページや電子掲示板に載っている文章や写真等を、無断で他のホームページや電子掲示板に転載すること。
  • 書籍、雑誌、新聞などの記事や写真を無断で転載すること。
  • テレビやビデオから取り込んだ画像やデータを無断で掲載すること。
  • 芸能人や著名人の写真や、キャラクターをまねて描いた絵の画像データを無断で掲載すること。
  • 他人が作成したソフトウエアやそれを改変したプログラムを無断で掲載すること。
  • 音楽や唄の歌詞またはCDなどから取り込んだデータ(MIDI, MP3等)を無断で掲載すること。
  • 他人の電子メールを無断で掲載すること。

次回は、ソフトウエアの著作権について解説したいと思います。それまでごきげんよう。

田淵 義朗(たぶち・よしろう)

神戸市生まれ。1980年中央大学法学部法律学科卒。職業は情報セキュリティコンサルタント。企業からの依頼で社員の情報リテラシー教育、研修をしている。現在ネット情報セキュリティ研究会代表。ISMS、JISQなど認証取得支援以外に、企業の情報漏えいの調査や誹謗中傷問題に取り組む。日経BP SAFETY JAPAN アドバイザリーボード、コラム連載中。岐阜聖徳学園大学講師、NPO法人21世紀大学経営協会ガバナンス委員会委員。著書に『間違いだらけの個人情報保護法対策』(ナツメ社)「守秘義務契約がよくわかる本」(秀和システム)『インターネット時代の就業規則』『ネット(攻撃・クレーム・中傷)傾向と即決対策』(明日香出版社)『45分でわかる個人情報保護』(日経BP)『学校における個人情報保護』(NPO経理研究会)など。

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