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ネット上の著作権侵害、「引用」と「要約」

2005年5月24日

(田淵 義朗=ネット情報セキュリティ研究会)

前回、TBSの著作権侵害事件(公式ホームページに新聞社のコラムや記事を無断で盗用し使用した事件)について検証した。著作権を扱うプロがなぜ事件を起こしたのか、その背景と原因について筆者なりの見解を書いた。当たり前だが、ホームページなどに掲載される文書や画像等には、通常著作権がある。転載する場合には著作権者の了解を得るなど、特に注意が必要だったが、今回そのことが疎かにされた。

また、個人や法人が所有しているホームページに、閲覧者への情報提供を目的として、新聞・通信社が配信する記事の一部や写真などを無断で利用しているケースがかなり多くなっていることも指摘した。現在、ネット上では著作権侵害が当たり前のようになっている事実がある。「引用」「要約」などが多用されている。

他の著作物を転載する際、普通は自らの文章を補う形で「引用」で使用する、または該当部分を「要約」して使用する場合が多い。これは「引用」「要約」なら、事前に著作権者の了解を得る必要がないためである。よって、多くの人たちは「引用」「要約」を多用するわけだが、それにもおのずと許される範囲というものがある。

今回は、誰もが起こしがちな著作権侵害行為として、「引用」と「要約」について、その許される範囲と限界、について解説する。

メディア制作に欠かせない「引用」

前回図表で示した「著作権者の許諾が不要な著作物」の中に、「引用」も含まれている。メディア制作には、「引用」が欠かせないのも事実である。昨今のブログに見られるように、「引用」自体がメディアの特質として存在するものが一般化してくると、著作権トラブルの中で、「引用」をめぐってのトラブルが多くなる傾向にある。

実はこの「引用」には適正な範囲があり、それを逸脱すると著作権の侵害にあたる。著作権法第32条では「引用」について、「引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない」という制限を設けている。

next: それでは「公正な慣行に合致」し…

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