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消費者の購買活動に影響を与えるブログの力

2005年11月4日

最近、「マーケティングにおいてブログの重要性が高まっている」ことを示すデータが相次いで公表されました。簡単にまとめてみたいと思います。

ネットショップでの買い物促進に有効

一つ目はEストアーが10月19日に発表した「購入者から見たウェブショップ運営者のブログについて調査」。この調査によると、商品を購入する際に、ショップ運営者のブログが「参考になる」とした回答者が54.8%に達しています。またブログで読みたい情報は、「セール情報(32.6%)」と「商品情報(31.7%)」で、購入のためのさらなる情報を求める声が上位を占めました。ビジネスでブログを利用する際には、まず既存の情報提供を拡充することが有効だ、という仮説が立てられます。

ただし、ショップ運営者のブログを通して商品を購入した経験については、「ない」が88.1%となっています。これは、「ブログを使って顧客予備軍を集め、最終的にショップに誘導する」というサイトナビゲーションに、まだまだ改善の余地があるということでしょうか。

ブログが真の効果を発揮する「商品情報」は、カタログ情報の転記のようなものではなく、ブログだからこそ提供できるタイムリーな情報であったり、生の情報であったりするようです。例えば照明器具販売のてるくにでんき(本社:東京都練馬区)は、照明器具の使用事例ブログを立ち上げ、実際に販売した照明器具が部屋の中でどのように使われているかを紹介しています。これが購買の決め手になることが多いそうです。

「照明器具が単体で写っている画像を見ても自分の家に設置したときのイメージが湧かないが、人の家に実際に設置した写真があれば、自分の家に置いたイメージをスムーズに連想できる」(てるくにでんきの堂園秀隆さん)からでしょう。

リアルでの購買にもネットの影響が強まる

もう一つは、電通の「ネットアクティブ男女の情報&消費生活」(2005年10月18日付日経産業新聞より。電通は11月2日時点で未公表)です。日経産業新聞の記事によると、消費者が商品を知ってから購入するまでの過程において、新たに「インターネットで商品評価チェック」と「意見共有」という行動が加わったそうです。商品がネット上で販売されているかどうかを問わず、意見共有(=口コミ)が大きな影響力を持ってきていると言えるでしょう。

「ブログによる口コミを利用して、企業が提供する情報以外の情報を積極的に収集する」という新しい消費者の姿が見えてきます。ブログを利用してマーケティングに取り組む企業は、自社が提供する情報が、消費者の購買プロセスにさまざまな影響を与えていることを認識する必要があるでしょう。

関 信浩(せき のぶひろ)

シックス・アパート株式会社 代表取締役(米Six Apart Ltd. Executive Vice President & General Manager of Japan)。

1969年10月 東京生まれ。1994年 東京大学工学部卒。1994年から2003年まで、日経BP社で編集や事業開発に従事。2002年 カーネギーメロン大学ビジネススクールで経営学修士(MBA)を取得。カーネギーメロン大学在学中に、ビジネスプランコンテストで特別賞などを受賞。2003年12月 シックス・アパート株式会社を設立し代表取締役に就任。

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