このページの本文へ
ここから本文です

事例4:ナイキジャパン〜部活をコミュニティとして盛り上げる(2)

2005年9月22日

<(1)はこちら>

高校生ブログの意外な面白さと彼らなりの責任感

ブカツブログの記事をチェックしてみると、高校生が自分たちの日常を赤裸々につづった予想外に面白い記事に驚かされる。例えば、足立学園高等学校柔道部ブログの2005年7月3日(日)「デートのお誘い」。この記事には、女の子と映画に行く約束を取り付け、ヒゲも剃って毛穴パックまでして準備したのに、前夜にドタキャンされた柔道部員の悲哀が満ちている。しかも、このエントリーに対して、顧問の先生からの「早く目を覚ませ…」というコメントをはじめ、学校の内外から様々な反応があった。

ニフティの清田氏は「これはもう、青春すぎますよね?(笑) 僕ら社会人からすると『うらやましい』の一言です。でも、高校生である彼らは、この甘酸っぱさをぜんぜん理解していない。僕らとまったく別の世界で、彼は一生懸命生きているんです。でも、このブログによって彼らの世界はパッケージされ、大人である僕たちが脊髄反射的にコメントつけていく。そういう意味で、非常に注目される面白いコンテンツになったと思います」と感想を語る。

ニフティ コンシューマメディア部の清田 一郎氏

とはいえ、書き手はあくまで高校生。ビジネスブログである以上、企業ブランドを傷つけるような事態は避けなければいけない。ナイキジャパンとニフティは、どのようにリスク管理をしたのだろうか。大きなトラブルは発生しなかったそうだが…。

岡本氏によれば、その運用方法はこうだった。「実際の運用方法については各学校にお任せでした。部活の顧問の先生に対して、書き込みに関する注意点などを事前に説明しただけです。一度、先生のチェックを通して公開するケースや、学年別に記事をチェックし、公開係の部員を一人ずつ立てたケースもあったようです。そもそも、今回の企画は各部活単位の参加。ブログを書く高校生たちには、根本的な部分で自分たちの所属する部や学校を背負っているという“責任感”があったみたいですね」。

課題は「どうやってブログの認知を高めるか」

今回の「ブカツブログ」は、面白いコンテンツをブログという形で世に送り出せたこと、ナイキジャパンが部活をがんばる高校生を応援する姿勢を示せたという点において、一応の成功を収めたようだ。だが、このコンテンツを世間一般に“認知”してもらう方法については課題が残る。

岡本氏はこう分析する。「『ブカツブログ』へのアクセスは、だいたい1日4000〜5000ページビュー(7月下旬の数値)。もともと、高校単位で地域色の強いコンテンツです。どうしても、オフラインでつながりのある読者が、リピーターとなってアクセスする形にとどまってしまったようです。ココログのトップページ(1日約30万アクセス)にリンクをはったり、総合格闘家の宇野薫選手やダバディさんなど、著名人からのメッセージを掲載するなど、人目を引く工夫を施したのですが…」。

課題はもう一つある。実際に、ココログのスタッフが現地の高校を取材したところ、パソコンでインターネットに接続している高校生は少なく、携帯電話の方がはるかに使われていたという。「今回の一連のキャンペーンでは、『ナイキ部』が携帯電話をつかったサービスとして機能していました。今後はブログに関しても、携帯電話で気軽に閲覧・参加できる仕組みを整える必要があると感じました」(岡本氏)。

宮脇 淳(みやわき・あつし)

1973年生まれ。エディター&ライター。2005年7月、有限会社ノオトを設立。「R25」のレギュラー編集をはじめ、雑誌、書籍、webなどの企画・制作を手がける。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る