きっかけになった「怒りの電話」
そんなある日、とある町役場の職員から、担当していた業務に関する怒りの電話がかかってきました。
「国は無駄なことばかりしている。町民のためになる方法で実施して何か悪いのか。こんなことも解決できない道庁なんか、あっても意味がない。ただ、国から来た書類を流しているだけだろう」と、大変な剣幕で怒られたのです。
この町役場は、財政難の中にあって、様々な分野で独自の工夫をし、町民の生活向上に取り組んでいる、いわゆる先進自治体でした。
私はとにかく、話を聞くことしかできませんでした。
その町役場の方のご意見が正しいことは、十分にわかっていました。しかし、一地方公務員、ましてや、平職員の私が国に申し立てしても、何も変えることはできないという現実も、同時に嫌というほど理解していました。
このことをきっかけに、私は、地方自治を取り巻く問題を解決するために自分自身で何ができるかを考えるようになりました。
政治の道を志す
住民の皆さんが本当に望んでいることを、行政に反映していくためには何が必要か。悩んだ揚げ句、たどり着いた結論が、政治でした。
中央集権型の国家構造を最終的に決定付けているのは、様々な法律であり、政治です。
多くの地方行政に携わる人たちは、現場での仕事を通じて、現在の地方自治のあり方に大きな矛盾を感じています。そのような問題意識を持った者が政治の世界に入らなければ、住民の生活を守り、向上させていくことはできないと考えました。
しかし、一地方公務員に過ぎない、ましてや、世間的に見ても全くエリートではない私が、政治の道に進むことは、はっきり言って困難です。そこで何か良い方法は無いかと探していたところ、松下政経塾に出会ったのです。
松下政経塾は、本物の「志」さえ持参すれば、どのような人たちにも門戸を開いています。それまでの30年間の人生で、一度も北海道を離れて生活したことのない、田舎者の私が、まさか採用されるとは思わなかったのですが、私自身が持つ、やむにやまれぬ地方自治への思いをわかっていただき、入塾することができました。(つづく)
次回は、入塾後どんなテーマを深掘りしているかについて語ってもらいます。
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