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働くということ

2008年7月29日

(原口 一博=衆議院議員)

松下政経塾の徹底した現地現場主義

「こんにちは サツマ電機です。」

21世紀の政治経営の理念を探求するといっても、政経塾での研修は高邁な思想を座して学ぶだけというものではありませんでした。「現地現場主義」を大切にする松下幸之助塾長は、私たちに自らの経営を現場を通して学ぶ機会を与えてくれました。

一番に挑戦したのが販売店実習です。

松下電器の販売店に住み込んで一軒一軒お客様のところを飛び込みの営業に回るのです。

私は、当時日本一と言ってもいいほどの売り上げを誇っていた川崎のサツマ電機に派遣されました。このお店は全松下の中でも最も厳しいと言われていましたが、想像以上の経験でした。朝6時に起床して夜中の12時過ぎまで足を棒にして歩き回ります。生卵一つをご飯にかけた朝食を今でも鮮明に思い出します。

厳しいノルマ。金型工場の立ち並ぶ中小企業の町、川崎にも企業の海外展開の波が押し寄せ始めていました。それでも私が付いた指導主任は、飛ぶように商品を売っていきます。私はといえば、日にちだけが過ぎるのに、一つも売れずに焦りだけが募る日々。

また断られるのかと歩くのが怖くなり始めた時に入ったのが一軒のお米屋さんでした。

たまたまそのお店の奥様が同じ佐賀出身ということで話を聞いていただきました。

「あなた九州の人でしょう?」「営業は品物を売っていくのではありませんよ。自分を売っていきなさい。あなたは若いからいろいろなサービスができるでしょう? 電気製品は壊れないといっても、不具合で困ったり、新しく出たビデオの使い方がわからなかったり。お客様のお役に立てば、喜んで次はあなたに声をかけてくださいますよ」

山のような商品の知識を詰め込んで、松下製品がどんなにいいか早口でまくし立てていた自分に気づきました。お客様には迷惑なだけだったのかもしれません。

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