30歳の時に京都区議会議員に出馬した経験を情熱を込めて教えてくれました。
「ご恩を一生忘れませんとか、土下座をして投票を頼むようなのはダメや」
「政治には金がかかる。選挙のたびに山の一つ二つ売らないかんという話を聞いて、自分も金がいると思うようではあかん。みんなが金をどれだけ使おうと、自分は金を使わんという信念が必要や。その信念があれば必ずそうなる。政経塾を巣立った人は票をもらうんやない。政治はみんなのためにやるんやから、感謝し頼まれる事はあっても、土下座して頼むような事は決してしたらいかん。話が逆や。土下座したり、金をバラまいた人のほうが当選しやすいというのは、日本もまだまだ後進国やな」
「禁止されていることを犯して当選するのを許しているのがそもそも間違いや。世の中には、法を犯している人間がたくさんいる。こういった人間は更正させないかん。社会の誤ったところを、正すべきは正して、なおかつ日本をよくするという人がたくさん出てくればいいわけや。『政経塾を出た人は金を使わない。みんなスカンピンです。しかし、みなさんのためになる政治をします。だからそれを承知の上で支持してください』と堂々と訴えていくことやな」
政治を変え、選挙を変える。当たり前のことです。ただ当たり前のことを当たり前に行うためには強い信念が必要です。
「地盤、看板、鞄(かばん)」と俗に言われる古い政治風土を私たちはすべて変えることができたわけではありません。それでも政治家の世襲化が進む中で徒手空拳の若者が挑戦を続けてきました。30人を超える政経塾出身の国会議員が出てきたのも、松下塾長の「政治を変えなければ日本はよくならない」という教えがあったればこそだと私は思います。
三権分立の理想 政治を正す
三権分立といいながら長い間の中央集権体制で行政府に対して立法府の力が弱すぎます。立法府が行政府の下請けになれば、国民は置いてきぼりになります。天下りや官製談合、特殊法人のむだ遣い、補助金による裏献金、随意契約などを正せない原因の多くは、行政府に政治がパラサイトして、予算の箇所付けまでも私物化してしまうところにあります。選挙民に対しては、自分に票を入れてくれれば、このような恩恵を与えますと予算・規制・税政などで利益誘導をしていく「依存と分配」政治をなんとしてでも打ち破らなければなりません。
行政に対して司法のチェックが効かなければ、誰も責任を追及されません。司法が機能しなければ正義が通りません。正義が通らなければ強い者勝ちで多くの国民は泣き寝入りをします。
政治を正して日本を変える。
松下幸之助塾長の壮大な志を引き継いだ私たちが、まず行うべきは政治そのものの改革です。
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