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(原口 一博=衆議院議員)

万事研修の事

カリスマからの4期生への初の問い

政経塾4期生として入塾することができました。松下幸之助塾長は、当時89歳。それでも月に一回、大阪から政経塾のある神奈川県茅ヶ崎市まで塾長講和に来ていただきました。

入塾式の後、政経塾の円卓室ですべての同期生が松下幸之助塾長を囲んで話をしました。第一回のテーマは「自分について思うところを言ってほしい」というものでした。皆が経営の神様と言われる塾長についての熱い思いを語ります。憧れや敬い。賛辞につぐ、賛辞。カリスマの持つ力は膨大で、それを否定する言葉など誰からも出ません。

「塾長は菩薩です」。小田全宏君の答えもとてもユニークでした(小田君は、富士山を世界遺産にする会、首相公選制の会などでも有名になりました。今では、教育・人材育成における一つの高みを築いています)。

諸君のええとこを習っていく

それでも塾長の顔はニコリともしません。むしろ「これではあかん」という感じさえ受けます。一通り話を聞いた後で塾長は次のように言いました。

「みんなが僕に対して、そういう考え方を持っているというのは結構だが、生身の人間だから、長所もあれば欠点もたくさんあるわな。これから諸君と付きおうて、諸君が僕の欠点をね、磨いて長所にしてもらうというのがプラスだと思います。それはやってもらわないかん。もちろんこれから提案することもあるけどな。だけど僕に対してこうでなきゃいかん、ああでなきゃいかんと、言ってほしい。

僕から習うことばかりではなくてね。僕が諸君のええとこを習っていくということにならなきゃいかん。塾長と生徒というのは一般的な通念としては、先生と生徒ということになるわな。そやけど、僕が先生であり諸君が生徒であるという考え方は持っておらんのや。歳から言うと僕が大先輩やけどな。だけど一個の人間としては、先輩の点もあるし、まだしょうのない先輩の点もある。だからな、そのつもりで付きおうてもらわんと。この人は偉い人やと思うていると、欠点もあるから失敗するからな。だから、そのつもりで付きおうてな。

今までわしに持っているイメージは、そのままでは具合悪い。裸の一個のわしが前にいるんやということで話してな。そうでないと僕が君らから学ぶものが何もなくなってしまうからな」

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