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記事はどうまとめればよいか

コメントをかき集めたら、いよいよ執筆である。記事の最初の方で、大事件であることを強調する。証券取引所、銀行、航空管制、座席予約といった、社会基盤を支える情報システムは本来、止まってはいけないものである。そこで、記事の書き出しで「信じられないことが起きた」、「インフラが機能を停止し投資家を混乱に陥れた影響は計り知れない」、「ハイテク社会に思わぬ落とし穴が待ち構えていた」などと書くと、読者を引きつけられる。

原因はともかく、システム障害を起こしてしまったのだから、そうした企業や組織は、どこかがたるんでいたに違いない。「危機管理の甘さを露呈した」と指弾する一文を入れておくと、厳しい記事に見える。ただし、よく分からないシステムのことを報道するので断定調は避け、「関係者の見方は一致している」、「可能性がある」といった表現を使う方がよい。

記事の最後に、情報システムを運営している他の企業や組織に対し、警告を発しておく。「対岸の火事と見ることなく、(システムの)再点検のきっかけにすることも大切だ」といった具合である。こうすると締まった感じになる。

これはもちろん冗談、ではなく

例示した文章の多くは、実際の新聞記事から引用した。対象とした新聞は、朝日新聞と日本経済新聞である。以下に、新聞記事の中にあった文章を再掲しておく。

以下は新聞記事の引用

「『責任の押しつけ合い』も始まった」
「再発防止策については、明確な説明がなかった」
「ショックを隠せない」
「信じられないことが起きた」
「基本的な手順をおろそかにしていたと批判されても仕方ない」
「(投資家の)不満があふれた」
「不安げな表情を見せた」
「関係者はいら立ちを募らせた」
「市場インフラが機能を停止し投資家を混乱に陥れた影響は計り知れず、東証の危機管理の甘さを露呈した」
「『内部管理の抜本見直しは避けられない』との声も上がっている」
「関係者の見方は一致している」
「システム障害を起こした経営責任や組織のあり方を厳しく問う意見が相次ぎそうだ」
「対岸の火事と見ることなく、再点検のきっかけにすることも大切だ」

本記事は日経ビジネスEXPRESSでも公開しています。

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谷島 宣之

経営とITサイト編集長。日経コンピュータ・ITpro・日経ビジネスオンライン編集委員。1985年に記者となって以来、情報システム関連のテーマを取材し続けている。特に、システム開発プロジェクトについては、100件以上の実例を取材し、報道してきた。かかわった媒体は「日経コンピュータ」「日経ウオッチャーIBM版」「日経ビズテック」「ITpro」「日経ビジネス」など。「経営者とIT担当者の間にある溝」に最大の関心を寄せる。

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