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システム障害を巡る記事の書き方、教えます

2005年11月29日

11月に入って、複数の証券取引所で情報システムの障害が発生、メディアは一斉に大きく報道した。今回は、こうしたシステム障害に関する「記事の書き方」をご紹介しよう。

まずは取材の方法から

まず、システム障害を起こした当事者、今回の例で言えば証券取引所に記者会見を開くよう要請する。記者会見には必ず経営トップを出席させる。会見当初あるいは最後に、経営トップが頭を下げた時、写真を撮っておく。

記者会見では次の2つの質問を必ずする。1つは「もう二度とこういうシステム障害は起きませんか」である。「最善を尽くすが、情報システムに完璧ということはない」という回答があったら、「再発防止策については、明確な説明がなかった」、「システムの完全復旧にメド立たず」などと書く。

もう1つの質問は「経営責任をどう考えているか」である。システム障害を起こした当事者はもちろん、情報システムの開発に協力したコンピューターメーカーの経営トップにも同じ質問をする。両トップの発言を見比べて、対立する部分があったら、「『責任の押しつけ合い』も始まった」と書く。さらに監督官庁に対しても「監督責任をどう考えているか」と質し、その回答を報道する。誰からもはっきりしたコメントを取れなかった場合、「システム障害を起こした経営責任や組織のあり方を厳しく問う意見が相次ぎそうだ」と書いておく。

原因が分からないときは

本来は、システム障害の原因をきちんと取材すべきだが、それについては深追いする必要はない。障害直後は原因を特定できていないことが多く、きちんとした説明がされない(できない)からである。そもそも記者の多くは情報システムの仕組みを理解していないので、説明があったとしてもよく分からない。

むしろ、当事者ではなく、システムに詳しい識者に電話し、「今回のシステム障害をどう思われますか」と聞く方が効率的である。コメントを集め、「『内部管理の抜本見直しは避けられない』との声も上がっている」、「基本的な手順をおろそかにしていたと批判されても仕方ない」と書く。記者の主張ではなく、「識者がそう言っている」と取られるように書くことが大切である。

いきなり電話を受けた識者の中には、「原因が特定できない以上、今は論評できない」、「大騒ぎをすればするほど、システム開発を担当する技術者たちが萎縮してしまい、かえって危険」といった、“使えない”コメントをする人がいる。こうした人は、識者リストから外しておく。

システム障害が起きると、善意の利用者が迷惑を被る。今回で言えば投資家、銀行のシステム障害であれば預金者である。彼らのコメントも必要だが、証券会社や銀行支店の店頭で数人に聞けば事足りる。「投資家の不満があふれた」、「不安げな表情を見せた」、「ショックを隠せない」、「関係者はいら立ちを募らせた」とまとめておく。

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