いよいよ幕開け、日本版SOX法を巡るドタバタ劇
「来年のネタはやっぱり、ソックスですかね」。
少し前、大手IT(情報技術)企業の取締役からこう聞かれ、答えられなかった。この質問に即答できるのは、一部のめざといIT企業と、公認会計士の方ではなかろうか。
筆者は質問の意味が分からず、「ソックスって何ですか」と聞き返してしまった。ソックスとはSOXのことだそうで、米国の企業改革法を指す。この法律は通称サーベンス・オクスレー法と言い、これをSOX法と略記することがある。筆者は「エスオーエックス」と読んでいたため、ソックスと言われてもぴんとこなかったのである。
ソックスは米国の法律で、米国市場に株式を上場していない日本企業にとっては関係ない。冒頭のIT企業取締役が聞いているのは、いわゆる日本版SOX法についてである。彼の質問を分かりやすく書き直すと次のようになる。
「2006年、日本のIT業界は、日本版企業改革法(通称日本版SOX法)に関する情報システム構築で一儲けできるでしょうか」。
筆者は以前、日経ビジネスEXPRESSというサイトに「『企業統治監査』は個人情報保護に続く悪夢か」と題した一文を公開し、その中で次のように書いた。文中にある内部統制あるいは内部統制監査は、日本版SOX法のことと思っていただいてよい。
ここからは筆者の予測である。2006年になると内部統制を巡る書籍がたくさん出版され、セミナーがあちこちで開催されていくだろう。2007年末になると、突然、内部統制監査を巡る取り組みがブームになる。相次いでソフトウエアを買い込む会社が登場し、本は飛ぶように売れ、セミナーはどこも満席となる。調べれば調べるほど、対応に手間がかかることが分かり、「法の適用を1年延期してほしい」といった要請が経済団体から出てくる。
筆者は記者であって、占い師ではない。そのため筆者が予測を書いて当たったことはめったにない。上記一文は早くも古証文になってしまった。IT企業や会計系コンサルティング会社は2005年秋の現在、日本版SOX法を商材にして、積極果敢なマーケティング活動を始めている。筆者はまだ参加したことがないが、日本版SOX法対応に関するセミナーは盛況という。
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