マーケティングは全員の仕事〜続々・顧客満足度ナンバーワン商品の作り方
前回コラム「『顧客に受ける』商品コンセプトとは」の冒頭に次のように書いた。
「日本企業、とりわけ製造業に対して、『技術力はあるがマーケティングがなっていない』、『欧米諸国が発案した商品を安く作るだけでは不十分。日本も独自のアイデアを出していかなければならない』といった指摘がしばしばなされる。こうした指摘は正しいのだが、だからといって素晴らしいアイデアを出し、マーケティングをしっかりするだけで、顧客満足度の高い商品を作れるわけではない。当たり前だが、商品そのものが優れていないのでは話にならない」。
そして前回は、顧客満足度が高い商品例として、米IBMのコンピューター「eServer iSeries」(以下iSeriesと表記)を取り上げ、iSeriesの商品コンセプトとそれを実現した設計思想について紹介した。iSeriesそのものについては、前々回コラム「顧客満足度ナンバーワン商品の作り方」を参照いただきたい。
さて、確かに「商品そのものが優れていないのでは話にならない」が、素晴らしい商品を出しただけで、売れるとは限らないし、ましてや顧客満足度が高まるわけではない。やはりマーケティングは重要である。今回は、引き続きiSeriesを例にとり、マーケティングについて考えてみたい。
マーケティングとは顧客を意識すること
マーケティングはよく使われる言葉だが、改めてその定義を書こうとすると案外分かりにくい。手元の小型辞書を引くと「市場(マーケット)で売買すること」と書いてあったが、現在、こうした意味で用いることは少ない。ここでは、米国のマーケティング関連団体、The American Marketing Association によるmarketingの定義を紹介する。
Marketing is an organizational function and a set of processes for creating, communicating, and delivering value to customers and for managing customer relationships in ways that benefit the organization and its stakeholders.
これは2004年8月に改訂された新しい定義である。プライシング(価格決定)やプロモーション(販売促進)といったマーケティングに必ず出てくる言葉をあえて使っていないところが興味深い。乱暴に要約すると、マーケティングとは組織の諸活動において常に顧客(カスタマー)を意識すること、となろうか。
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