「顧客に受ける」商品コンセプトとは〜続・顧客満足度ナンバーワン商品の作り方
日本企業、とりわけ製造業に対して、「技術力はあるがマーケティングがなっていない」、「欧米諸国が発案した商品を安く作るだけでは不十分。日本も独自のアイデアを出していかなければならない」といった指摘がしばしばなされる。こうした指摘は正しいのだが、だからといって素晴らしいアイデアを出し、マーケティングをしっかりするだけで、顧客満足度の高い商品を作れるわけではない。当たり前だが、商品そのものが優れていないのでは話にならない。
前回コラム「顧客満足度ナンバーワン商品の作り方」で紹介した、米IBMのコンピュータ「eServer iSeries」(以下iSeriesと表記)もiSeriesそのものの中に顧客満足度を高める性質を備えている。そこで今回はiSeriesの商品コンセプトと、それを実現した設計思想について紹介する。素材はiSeriesというコンピュータだが、商品企画に関係するビジネスパーソンの方々に役立つように、コンセプトと思想の話を抽出して書くつもりである。
iSeriesの「i」は「インテグレーション(統合)」を意味している。実は1970年に、iSeriesの設計者であるフランク・ソルティス博士が新しいコンピュータのアーキテクチャ(設計思想)に関する提案書をIBM社内の上層部に提出したときから、「統合」という設計コンセプトが意識されていた。それから30年以上もの年月が流れたが、このコンセプトとそれを支える設計コンセプトは不変である。
統合というコンセプトを分かりやすく言うと「これ1台に全部入っています」となろう。パソコンをお使いの方ならお分かりと思うが、コンピュータはなかなか不思議な商品であり、商品を買ってきて電源を入れればすぐ使えるというわけではない。
OS(基本ソフト)というソフトウエアをパソコンに読み込ませ、いくつかの設定作業をしなければならない。さらにワードプロセサや表計算など、パソコンを使ってやりたい業務ごとに、パッケージ商品を別途買わないといけない。
これではあんまりだと言うので、パソコン・メーカーとマイクロソフトは協力して、基本ソフトやパッケージ商品の統合を進めている。必要とされるソフトをあらかじめコンピュータに載せておくだけではなく、それぞれのソフトがうまく連携できるような仕掛けも裏に盛り込んでおくことを意味している。
iSeriesはパソコンではなく、企業の業務処理に使われるサーバーと呼ばれるコンピュータだが、サーバーの世界の面倒くささはパソコンの比ではなく、顧客はサーバーを使うまでに様々な作業を延々としなければならない。サーバーを選び、基本ソフトを選び、データベースという情報を格納するためのソフトを選び、それらを組み合わせて一つのシステムとして動くように設定作業をし、日々使っていくときに一連の商品がちゃんと動いているかどうかを管理する。
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