しかし総合顧客満足度で80ポイントを超える評価を得たコンピュータは、メインフレームの中にも、パソコン・サーバーの中にも、UNIXサーバーの中にもない。ちなみにメインフレームで満足度首位のコンピュータのポイントが77、パソコン・サーバー首位が69、UNIXサーバー首位が68となっている。
しかもこの圧倒的な顧客満足度の高さは日経コンピュータ誌が調査を始めてから一度たりとも揺いでいない。他の製品ジャンルではそれなりに顧客満足度の変動が見られるが、iSeriesについては例年変化なしである。
筆者はかつて日経コンピュータ編集部に所属していた。あるとき編集会議で「オフコンについては顧客満足度を調べるのを中止してはどうか」という議論になった。その理由は「毎年iSeries(AS/400)が1位になるので調べるまでもない」というものであった。
iSeriesの顧客満足度の高さは日本に限った現象ではない。「外部調査でもIBMの社内調査でも、iSeries(AS/400)の顧客満足度はナンバーワン」と米IBMでiSeriesチーフ・サイエンティストを務めるフランク・ソルティス博士は語る。ソルティス博士は、iSeriesの開発者である。
基本設計は35年前
1970年1月8日。この日、ソルティス博士は、新しいコンピュータのアーキテクチャ(設計思想)に関する提案書をIBM社内の上層部に提出した。IBMはこの提案を受け入れ、新しいコンピュータを開発することを認めた。この提案書に基づいて開発され、1978年10月に発表されたのが「システム/38」と呼ぶコンピュータで、これがAS/400とiSeriesの前身となった。
システム/38はコンピュータ内部にあるメモリーや磁気ディスクといった記憶装置を一切区別しない「シングル・レベル・ストレージ」という考えを採り入れ、「リレーショナル・データベース」というデータ格納の仕組みを標準で持っていた。1978年の段階ではまったく革新的な発想であり、あまりにも革新的であったためか肝心の製品製造に手間取り、システム/38の出荷は1980年7月になってしまうほどだった。
かつてのIBMは製品のブランドネームにあまりこだわらない珍しい企業であった。このため、システム/38からAS/400へ、さらにはiSeriesへと製品名は大きく変わった。しかし、根本の設計思想はソルティス博士が起草した提案書の内容からまったく変わっていない。
next: つまり顧客満足度世界一のコンピュータは…
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- システム障害を巡る記事の書き方、教えます (2005/11/29)
- いよいよ幕開け、日本版SOX法を巡るドタバタ劇 (2005/11/15)
- 2億対1000万、携帯電話で大差がついた訳 (2005/10/25)
- システムを理由に郵政民営化を遅らせるのはおかしい (2005/10/18)
- 答えは30年前からそこにある (2005/10/12)

