CEOを更迭したソニーとHP、復活のカギは「技術者が思いきり働ける職場」
日米を代表するエレクトロニクスメーカーであるソニーと米ヒューレット・パッカード(HP)が、相次いでCEO(最高経営責任者)の更迭を発表した。ソニーとHPには共通点が多い。両社とも技術者が起業したベンチャーであり、著名な経営書である『ビジョナリーカンパニー』にそろって取り上げられた。
3月18日付日本経済新聞に「米HP 次期CEO選び難航」という記事が掲載されていた。HPは2月9日にカーリー・フィオリーナ会長兼CEOを解任、現在は暫定会長と暫定CEOを置いている。記事によれば、3月16日に開かれた株主総会で暫定会長は「次期CEOが決まる時期は明言できない」と述べた。
この新聞記事を読んで筆者は、ジェームズ・コリンズ氏が著した「ビジョナリーカンパニー」(日経BP出版センター)を引っ張り出した。この本の中にHPの強さが的確に書いてあったことを思い出し、HPの今後を考えるために再読しようと思ったのである。
すると同書で、ソニーが唯一の日本企業として取り上げられていたことに気づいた。そこでHPとソニーが出てくるところを拾い読みした結果、両社がよく似ていること、この本で書かれた後に両社が社風を変えたこと、などが分かった。
技術者がつくった技術者のための会社
HPは1946年、それまで依存していた軍事関連の仕事が激減し、売り上げが対前年度比で50%減となり経営危機に陥った。そのとき、創業者のビル・ヒューレット氏とデービッド・パッカード氏が採った策は、同じく軍に依存していた他の研究所から優秀な科学者や技術者を引き抜くことであった。潰れそうな時期にあえて技術者の確保に走ったわけである。これが功を奏し、HPは技術志向の企業として躍進していく。1946年が第2の創業時期だったと言ってもよいだろう。
同じ1946年、井深大氏はかの有名な「設立趣意書」を起草した。「ビジョナリーカンパニー」から孫引きすると、設立趣意書の「会社創立の目的」には次のように書かれていた。
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- システム障害を巡る記事の書き方、教えます (2005/11/29)
- いよいよ幕開け、日本版SOX法を巡るドタバタ劇 (2005/11/15)
- 2億対1000万、携帯電話で大差がついた訳 (2005/10/25)
- システムを理由に郵政民営化を遅らせるのはおかしい (2005/10/18)
- 答えは30年前からそこにある (2005/10/12)

