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最後に陣頭指揮した「パークタワー」は豪華

かつてプリンスホテルは、「帝国、オークラ、オータニが『ホテル御三家』と言われるのはおかしい。プリンスも加えて『ホテル四天王』と呼んでもらいたい」とメディアに対して強く主張した。プリンス・ブランドの評価(プリンスは一流ではないとする外部の声)に対して神経をとがらせていたわけだ。「文句の付けようのない一流の新しい旗艦ホテルをつくりたい」という義明氏の願望は強まるばかりだった。その願いがついに結実することとなる。4月11日、総工費300億円を投じた「東京プリンスホテル パークタワー」(客室数673室)が開業したのだ。

客室の平均面積は40平方メートル以上、バルコニー付きの客室は397室を数える。ロイヤルスイートルームは面積216〜333平方メートルで、その正規料金は最高で98万円。また宴会場は17カ所あり、主宴会場のコンベンションホールはLED(発光ダイオード)の演出装置を備え、最も大きなボールルームではバカラ社製のシャンデリア21基(1基約2000万円)が輝く。このほか、料飲施設13店、ウェディング施設、天然温泉を備えたスパ・スポーツなど施設がある。

筆者もオープンしたばかりの「パークタワー」に行った。正直に言って「豪華な施設だ」と感じた。義明氏が東京拘置所でも新施設の図面を確認していたと伝えられるが、うなずけるエピソードだ。義明氏が最後に手掛けた「パークタワー」は、文句なしの豪華ホテル(好みの違いはあるかもしれないが)と言っていい。つまり、堤義明氏は一連の不祥事で失脚しなければ、4つの条件をすべてクリアして「ホテル王」と呼ばれるようになった可能性が十分あるのだ。

「東京プリンスホテル パークタワー」のボールルーム

日本で「ホテル王」に一番近い位置にいた堤義明氏が表舞台から去った。今後、「ホテル王」の異名を持つ人物は果たして現れるのだろうか?ここへ来て、西武グループの資産売却問題や、国際興業が約4割を所有する帝国ホテル株式の売却問題が急浮上している。新たなオーナーは誰なのか?義明氏に代わって「ホテル王」にぐっと近づく人物の顔が見えてくる可能性もある。

永井 弘(ながい・ひろし)

日経リゾート副編集長、日経ギフト編集長、日経イベント編集長などを経て、現在、編集委員室編集委員。専門分野はホテル&リゾート、イベント。著書に「戦後観光開発史」(第24回「交通図書賞」受賞)、「東京年輪論」、「株式公開でスピードサクセス!-上場・成功社長が実践した“超速”テクニック39」など。

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