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2つの顔を持つFJB、大企業向けが課題

──FJBは売上拡大路線から転換を図るとき、大企業向けの事業を縮小した。商品を右から左に流すといった付加価値のない事業は必要ないと判断したのだ。

鈴木 FJBは中堅・中小企業のほかに、実は大企業の顧客もいる。2つの顔があるのだが、大企業向けでマンパワーだけを提供するものは止めてきた。しかし、例えば富士通は基幹系を、FJBはその顧客の部門システムあるいは子会社のシステム構築などを請け負うといった、富士通との役割分担あるいは連携するものは引き続き手掛けてきた。全国にサポート網を展開している強みがFJBにあるからだ。

実はこの部分の売り上げが全体の約50%もある。大企業という顧客を持っていることをどう見ていくかが大きな課題でもある。縮小するのか、強みにするのかの結論はまだ出ていないが、それでもFJBのメインは中堅・中小企業であるし、投資もそこが重点になることだけは間違いない。

──地方から大都市へと営業をシフトさせている。例えば、FJB単体で見ると、東京地区と地域営業の売り上げ比率は、01年度がほぼ半々だったが、04年度は東京地区が約58%と大きく伸長する。

鈴木 東京だけでなく、大阪や名古屋など大都市への集中を加速させてきたのは事実だ。効率の悪いところを整理し、営業などの勢力を大都市にシフトさせた。

だが、自分たちで独自のものを持たないと、これからはやっていけない。付加価値のあるビジネスモデルを作っていくということでもある。例えばアプリケーションならコンポーネント型システムのWebAS Componentがその1つだ。また、富士通のグループ会社とのつながりを強固にすることも必要だと思っている。グループ各社が開発した商品やサービスの中で、FJBにプラスになるものも選択し利用していくためでもある。

──アプリケーションを強くすることが成長のカギを握るということだろう。だが、富士通は大企業向けビジネスで手一杯で、中堅・中小企業向け商品・サービスの開発が遅れ気味と言われている。加えて、FJB自身の問題もありそうだ。WebAS Componentで使ったようなソフトの部品化やモジュール化、さらにアプリケーション・ソフトを時間貸しするASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)モデルは業界でいち早く手掛けている。だが、スピード感の問題からか、その普及がやや遅れていることだ。

鈴木 FJBにはSE(システムエンジニア)が1000人、営業が1000人いるが、SEはまだ不足している。例えば医療分野を強化しようとすれば、グループのSE会社と協業することでSE不足を解消できるだろう。一方、営業力の弱いそのグループ会社はFJBと組むことで、新たな顧客を開拓できるかもしれない。

もう1つ考えているのは、ネットをどう取り組むかだ。顧客層を広げるために、もっと小さな企業に、例えばASP的なものを売り込む。また、WebAS Componentをベースに開発したシステムを保守まで一貫して請け負うことも重要である。そして粗利益20%を早くクリアしたい(一番悪かったのは赤字時の12%。ここ2〜3年は約15%で推移)。

鈴木 國明(すずき くにあき)氏の略歴
 1945年8月生まれ。69年6月東京大学法学部卒業、同年7月富士通に入社。00年6月取締役、03年6月取締役専務、05年6月富士通ビジネスシステム社長に就任

田中 克己

日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ(現日経ソリューションビジネス)編集長などを経て2004年1月から主任編集委員。20年以上、IT産業の動向をウォッチし続けている。現在、日経ソリューションビジネスで「明日に駆ける」を連載中。専修大学兼任講師(情報産業)。

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