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第一弾は04年1月に発表した16GB(ギガバイト)のメモリーを積んだWS。500万から1000万ゲートの回路設計に対応できるもので、価格は1台当たり80万から150万円で100台を超える販売実績だったという。ところがゲート数が1年で倍々に増え、05年に入ると「3000万ゲートが当たり前になってきた」(椎名氏)。そこで、05年7月に64GBを搭載した新製品を投入。OSはLinux、プロセッサは米AMDのOpteronである。

ユーザー企業は筐体やマザーボードを変えずに、2〜3倍の性能向上を図れる製品も望んでいるという。「1年半から2年半は使いたい」(椎名氏)からでもある。マザーボードを自前で開発したことなどで、新製品はこうしたニーズに対応できたが、ここで大きな問題が出てきた。投資コストを回収、つまり販売台数をいかに増やすかだ。その時、椎名氏の脳裏をよぎったのが「32カ国に輸出し、シンガポールなど3カ国に生産拠点を設置したソード時代」のことだった。世界に羽ばたくチャンスが再び到来したのだ。

プロサイドは500〜600台の販売計画を立て、米国での販売網作りに着手した。米国で実績を積めば世界に売り込めるチャンスが広がるからだ。「正確なデータは持ち合わせていないが、EDAの世界市場は日本の10倍と言われている。おそらく年間5万〜10万本だろう」(推名氏)と期待を膨らませる。5月、7月に渡米した椎名氏らは2社の販売代理店の獲得に成功。製品そのものを販売する代理店と、マザーボードを供給し現地で組み立てる代理店である。このほか数社の販売代理店を設ける計画だ。

61歳になった椎名氏は元気だ。「やりたいことをやっているからだ」。だが、国内でハードベンチャーはなかなか育たない。中国や台湾などに生産シフトしてしまうケースも多い。中でもPCサーバーは米国勢の低価格攻勢をうけており、プロサイドも03年度に赤字に転落。売り上げも40億円超から約25億円に落ち込んだという。「デルが2003年4月頃から新聞に低価格製品を売り出したのはきつかった。毎日、新聞を見るとぞっとし、殺されるかと思った」(椎名氏)。だからこそBTOビジネスから派生したEDA用WSに大きな期待をかけているのだろう。

田中 克己

日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ(現日経ソリューションビジネス)編集長などを経て2004年1月から主任編集委員。20年以上、IT産業の動向をウォッチし続けている。現在、日経ソリューションビジネスで「明日に駆ける」を連載中。専修大学兼任講師(情報産業)。

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