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中国でのオフショア開発・運用は2010年に2ケタに

中国企業にとって残された問題の1つは信頼だろう。そこで有力企業に合弁会社の設立を働きかける。日本の代表的な大手企業が「この会社なら発注しても大丈夫」となれば雪崩を打ってシステム運用のシフトが起きるかもしれない。

桑津氏はその時期を85年9月のプラザ合意から予想する。「為替が大きく変動したことで、日本の製造業がそれから5年以内に海外生産(直接投資)を一気に拡大させたという歴史を見れば、本気になれば今から5年以内に運用を中国に移せる」と読む。

NRIの試算によると、中国における2004年のオフショア開発・運用は日本市場全体の需要の1.5%だが、それが08年には4.9%に拡大する見通しだ。この数字は控えめだそうで、しかもここにはインド、携帯電話機などへの組み込みソフトは入っていない。それらを加えると倍近い数字になるかもしれないという。大手製造業の動きが活発化すれば、2010年には2ケタ台になることもあり得る。

IT人材供給も中国やインドは加速的に増えている。中国は04年の44万人から08年には102万人に増加するとNRIは見ている。毎年10万人以上を輩出するのは、インドもほぼ同様である。これに対して、日本は約58万人で、増える見込みよりも減る方向にある。数年前から叫ばれている業界再編が中国へのシステム運用シフトで拍車をかけそうだ。

中国ITサービス会社の傘下に入る日本企業が出てきてもおかしくないだけに、「発言力のある」(桑津氏)うちに手を打っておく必要があるだろう。そうしないと、金融業界でおきたように経営困難に陥り株価が低迷し、外資企業の傘下に入るしか生き残る道がなくなるという事態にもなりかねない。

注)本記事は日経ソリューションビジネス2005年7月15日号「深層波」に加筆・修正したものです。

田中 克己

日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ(現日経ソリューションビジネス)編集長などを経て2004年1月から主任編集委員。20年以上、IT産業の動向をウォッチし続けている。現在、日経ソリューションビジネスで「明日に駆ける」を連載中。専修大学兼任講師(情報産業)。

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