「低成長、過当競争時代のSI市場で生き残るには」、NECの寺尾執行役員
「SI(システム・インテグレーション)サービスの営業利益率を15%に引き上げる」。NECの寺尾実執行役員はこう意気込む。システム開発やアウトソーシングなどで構成する同事業の営業利益利率は2002年度10%超、2003年度約7%、2004年度8%という推移から考えるとかなり高い目標値だ(表1参照)。実は2004年度も9%を見込んでいたので、営業利益は予想を80億円程度下回っている。だが、寺尾氏は目標を達成しない限りSIサービス市場で生き残れないと危機感を強める。

年率2%台(調査会社IDCジャパン調べ)という低成長時代に入ったSIサービス市場はますます競争が激しくなり、業界の再編・淘汰も活発化している。業界最大手のNTTデータが売上高数百億円規模のITサービス会社の買収に動きはじめたのが端的な例で、売り上げを大きく伸ばすにはM&A(企業の合併・買収)しかない状況になってきた。
このように成熟化した市場にも関わらず、システムの高度化・複雑化が進み、かつユーザー企業からの要求水準は高まるばかり。その一方で大手ITサービス会社は(1)既存領域の売り上げ減少、(2)新規領域の受注の伸び悩み、(3)不採算プロジェクトの多発、(4)外注依存によるノウハウの空洞化、などといった問題を抱えている。
こうした中で営業利益率15%を実現するには、開発生産性を3倍向上させる必要がある。だが1人当たりの開発生産性を単純に3倍にするのは不可能に近い。その打開策は「生産性をモノ作りの視点から顧客のROI(投資回収率)、TCO(所有総コスト)の視点に再定義すること」と寺尾氏は説く。生産性の物差しを仕様書やプログラムなどの成果物から顧客の事業への貢献に変えるには、「システムを作るのではなく、顧客にとっての価値を作る」(同)という考え方にすることだという。
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