「顧客との長い付き合いが大切」、米ストレージテック日本法人の臼井社長
「米CRM(顧客情報管理)ソフトのA社の日本法人社長だったと思ったら、米SCM(サプライチェーン管理)ソフトのB社日本法人社長になってきた」。こんな風に外資系ITベンダーを渡り歩く人は少なくない。多くは社外からの起用でIT業界の人脈や深い専門知識などが買われてのことだろう。だが、期待された業績を達成できなかった、本社とのパイプが細かった、権限がなかった、本社の方針が変わったなど様々な理由から社長を長く努める人は多くない。特に売り上げが200億円に満たない日本法人でこうしたトップ交代が頻繁に起きる。

そんななかで米ストレージ・ベンダーのストレージ・テクノロジー日本法人社長に、この年2月に就任した臼井洋一氏は同社生え抜き的な存在といえる。1950年生まれの臼井氏は日本IBMに約4年間在籍した後、81年にストレージテックにSE(システムエンジニア)として入社した。米国で15年、日本で8年間勤めた計約23年の間に、ストレージテックは米破産法チャプタ11など厳しい経営状態に陥ったこともあったし、大型ディスク装置事業でIBMとの競合からIBMへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給など協調路線に転換した時期も一時あったなど、いろんなことがあった。その一方で大型ディスク装置ICEBERG、自動テープ・ライブラリ装置などストレージテックの業績に貢献した製品のマーケティングや営業支援、製品企画、調査活動などを担当したことで、臼井氏はユーザーとの関係を築き、かつ米国本社との太いパイプを形成した。
ここが大変重要なポイントになる。日本のユーザーの声が本社に届くまでに時間がかかる。届いても無視されるようならユーザーの不満が募るのは間違いないからだ。他社製品に流れていってしまうことだってあり得る。日本市場に精通していない外人だと、ナンバー2的な日本人が要ることもある。「だからこそ顧客とは長い付き合い」になる臼井氏が、ユーザー企業の声を直ぐに本社に伝え、製品やサービスに反映させていくということが事業拡大に欠かせないことになる。
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