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海外でも、地方政府レベルでの先行が目立つ。2007年10月に創設されたICAP(国際炭素行動パートナーシップ)には、2008年5月時点で、25の国・州などが参加している。参加国はEU10カ国、ニュージーランド、ノルウェー、オーストラリア。参加州はアメリカの10の州、カナダの2つの州となっている。

ICAPに参加するには要件がある。温室効果ガスの排出総量の削減を義務づける制度があること。さらに制度導入について首長による政治的宣言があることが参加要件だ。これらを満たしていない日本政府はオブザーバー参加にとどまっている。東京都は今年6月に改正条例が可決され、削減義務化の要件を都市としてはじめて満たしているので、現在、参加申請中である。

アメリカは環境政策に取り組んでいないといわれるが、州レベルでは先進的なところも多い。アメリカと同様、中国も大きい国だから、国全体で合意するのは大変である。省レベルや市レベルで先行するところが出てくるのではないだろうか。

東京都のCO2削減対策は都市型のモデルケースとなる。ほかの多くの参加国(地域)は発電所や工場などの大規模排出源をかかえている。東京の場合は工場などの産業部門の比率が低く、むしろオフィスなどの業務部門と家庭部門を中心にどう削減効果をあげていくかという新たな試みだからだ。

都の取り組みが地方や世界の都市の範となればよい。

都民、国民にもぜひ関心をもって参加してもらいたい。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『道路の決着』(文春文庫)がある。

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