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地方分権改革推進委員会では、出先機関を一つひとつ洗い直し、二重行政を解消するプロセスを丁寧に議論している。すでに約60回もの議論をしてきた。委員会はどこかの党派のためにやっているわけではない。もちろん自民党のための委員会でもない。むしろ、地方分権改革に抵抗する自民党族議員と戦ってきた。

委員会の議論に対して、具体的にこうしたいという方向性を出してくれるならウェルカムだが、また議論を振り出しに戻すようでは話にならない。

ほかにも民主党のマニフェストには、「年金基礎部分への消費税全額投入」が明記されている。しかし、消費税は増税しないという。これも財源が示されていない空手形のバラマキ公約だ。

日本人はバラマキに群がりやすい。北海道夕張市も、いろいろなハコモノをつくったために破綻した。住民はタダだと思ったが、それらは税金だった。

破綻後の夕張市長選には、羽柴秀吉氏が立候補。「私が100億円出します」と言ったら、300票差で次点となった(当選したのは藤倉肇氏)。「100億円出します」と言ったら票が集まってしまうのはおかしい。その100億円だって本当に出せるわけがない。空手形という意味で、民主党のバラマキ公約と同じだ。

郵政選挙は劇場型でおかしな選挙だったと批判する人がいる。しかし、小泉さんはバラマキ公約はしていない。郵政民営化という政策を訴えていた。小沢代表のように「高速道路がタダになりますよ。1.5兆円はどこかからもってきますよ」というのでは、巨大な詐欺のような話である。

民主党はちゃんと結末をつける政策を提示しなければならない。今のままでは、あまりに無責任すぎる。メディアも厳しく報道するべきだ。野党だからという問題ではない。

小沢代表は完全に権謀術数の世界に入っている。政権をとったらちゃんとやると思っているのかもしれないが、国民を騙してはいけない。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『道路の決着』(文春文庫)がある。

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