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天皇家に内在する大きなポテンシャリティ

雅子妃問題をとおして、僕はあらためて天皇家のポテンシャリティはすごいと感じた。これは文化人類学者の山口昌男氏の示唆で知ったのだが、王権はトリックスターの出現によって常に維持されていく。 「王は潜在的なスケープゴートだが、多くの場合、王権はこの役割を宮廷付の道化(トリックスター)か王子(プリンス)に負わせる」(ウィリアム・ウィルフォード『道化と笏杖』、晶文社)

いまの天皇家にとっては、雅子妃がちょうどトリックスターになっている。西尾氏が原稿を書いた雑誌が売れて、「朝まで生テレビ!」が多くの視聴者を集める。雅子妃というトリックスターにみんな注目しているわけだ。

トリックスターは一時的に秩序を乱すが、最終的には異質受容のシンボルとなり、王権を強化する。天皇家にはそういう大きなポテンシャリティがある。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『道路の決着』(文春文庫)がある。

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