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新しい鬱病は現代の日本人が抱える時代病

新しい鬱病というものをよく知らないから、雅子妃問題について的外れなことしか言えない出演者が多かった。そんななか、精神科医の香山氏と斎藤氏は、さすが専門家だけあって、雅子妃の病状を的確にとらえていた。

斎藤氏は紙媒体でも雅子妃問題を論じている。

「……新しいタイプである『ディスチミア親和型うつ病』の場合、パブリックな仕事はできないが、プライベートでは活動的で元気に見える。困難な義務から逃避し、はたからは仮病、わがままにしか見えない、不幸にしてそうした側面が際立つうつ病である」(斎藤環「医師の病状説明が雅子妃を守る」、文藝春秋2008年8月号)

また、香山氏は著書のなかで、雅子妃の病状を「正業不安」という言葉で説明している。

「雅子さまにはなぜできることとできないことがあるのか、その答えは、『「遊び」や「海外」がそれほど好きだから』でも、もちろん『公務がきらいだから』でもない。たとえそれが負担の少ないものであっても、『公務』となればそれは自分の本業であり、その成否もシビアに判定されるのではないか。そう思うだけで、とてつもない恐怖が襲ってきて、手が出せなくなる……。雅子さまは、まさにこの『正業不安』の状態に陥っているのではないだろうか」(香山リカ『仕事中だけ《うつ病》になる人たち』、講談社)

たまたま雅子妃にこういう病気があらわれているだけで、新しい鬱病は現代の日本人が抱える時代病だ。海外旅行やボランティアはできるのに仕事中は鬱病になる社員の存在が、会社の人事部を悩ませている。僕のまわりでも、そういう若い人たちを目にする。

鬱病で仕事を休まれると、周囲の人間にしわ寄せが行く。みんな困っているが、「困るよ」と言うと、病状がもっと悪くなるから言えない。新しい鬱病とは、そういう病気なのだからしょうがない。

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