1949年生まれの小島氏は僕とほとんど同い年で、若い頃は学生運動をやるなど人生の回り道をしていた。就職できないかもしれないと思っていたところへ、新たに環境庁が設立。1973年に環境庁へ入庁してから、30年以上にわたって日本の環境政策の最前線で活躍してきた。
環境基本法の制定、水俣病の政治解決、京都議定書の発効作業、「チーム・マイナス6%」などにたずさわったほか、洞爺湖サミットでは実務レベルでの交渉役を務めた。環境問題の国際会議に出席するため、3年で40回くらい外国にも足を運んだ。まさに環境問題の生き字引である。
小島氏が生まれた岐阜県多治見市は、昨夏、日本の最高気温40.9度を記録した土地だ。その後の人生と直接は関係ないけれども、結果的に小島氏は、地球温暖化やヒートアイランドという問題にたずさわる。日本一暑い土地に生まれた男が、地球規模の暑さと戦うことになった。
途上国を「拘束」し、アメリカに「数字を出す」と言わせた
洞爺湖サミットには、G8(主要8カ国首脳会議)以外に中国、インドなどがオブザーバーとして参加。もはや発展途上とはいえない「主要途上経済国」がそろった。環境問題において、これらの国は無視できない存在になっている。
2004年時点でCO2排出量の1位はアメリカ(23%)だが、中国(18.1%)は2位、インド(4.3%)は6位につけている(EU15カ国を1つにまとめた場合)。環境先進国といわれている日本(4.8%)は5位だ。
「今までは、中国やインドも一緒に取り組まないといけないと、一般的な言い方しかできませんでした。今回は、『国際合意において拘束される形で、すべての主要経済国が意味ある行動のコミットをすることが必要』と、はっきり言っています。『拘束する』という言い方で、途上国に対する要求が明確にされた点が大きい」(小島氏)
新聞は大雑把に白黒で判断するけれども、現実は単純ではない。主要途上経済国をまきこむことができたのは、洞爺湖サミットの成果と言っていいだろう。
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