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DVDは高崎勝二氏、ガイドブックは江本多佳子氏が担当

DVDの監督・撮影は、広告界の巨匠・高崎勝二氏である。音楽は、作曲家の松谷卓氏にオリジナル曲をお願いした。

JR東海のCM「そうだ、京都行こう。」シリーズも手がけた高崎氏は“30秒の天才”だ。初の長編映像となる今回の作品では、説明的でない一点突破できるビジュアルの魅力で、江戸東京の文化の奥行きを表現。都民も気づいていないであろう、皇居の四季の移ろいや鮮やかさなどが贅沢に展開されている。

真夜中から夕暮れまで、都庁屋上での定点撮影もおこなわれた。また、浅草寺雷門建立以来、初のクレーン撮影によって、よりダイナミックな映像が実現した。色彩鮮やかに展開する映像美は、まさに“高崎マジック”だ。

風景だけでなく、食文化にも光をあてている。食のシズル感が素晴らしく、天ぷらが泡を立ててサーッと揚がる映像には思わず見とれてしまう。

職人たちへの特別取材もおこなわれた。浮世絵の摺師である、88歳の長尾直太郎氏。江戸小紋の人間国宝、82歳の小宮康孝氏。スペースシャトルの外枠を100分の3ミリの精度で絞る、株式会社北島絞製作所のヘラ絞り職人。世界に誇る、東京の職人技の貴重な記録だ。

観光ガイドブックは、「家庭画報」編集部出身で、独自の企画編集力に実績のある、エモト・プロジェの江本多佳子氏が編集の中心となった。世界文化社の家庭画報国際版編集部が制作した。

この江本・高崎のコンビがよかったと僕は思っている。ガイドブックのコンテンツはDVDにも生かされており、DVDを見たあとにガイドブックを読むと非常にわかりやすい。ガイドブックとDVDのコラボレーションが見事に成功している。

DVDの映像は、東京都のホームページでも配信されるようになっている。世界中からアクセスしてほしい。また、ガイドブックの英語版は都庁で買うことができる。

このように、東京都では海外に“緑の東京”をPRしている。しかし、東京都が「緑を守る」と世界に発信するなか、新しい参議院宿舎を建設するために、都心に残された貴重な環境資源が破壊されようとしているのだ。

樹齢100年以上の樹を切ってしまったら、東京都が必死にPRしている“緑の東京”も水の泡である。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『道路の決着』(文春文庫)がある。

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