このページの本文へ
ここから本文です

1995年に食管法がなくなり、2003年に農林水産省消費・安全局が新設されると、旧食糧庁は役割を終えて廃止された。しかし、旧食糧庁の出先機関である旧食糧事務所はそのまま農林水産省に吸収、温存されている。食管法時代の名残なのだ。

関東農政局消費・安全部地域第一課は、マンションと一戸建てが建ち並ぶ住宅街のなかにある。浦和駅からそう遠くない1350平方メートルの敷地に2階建ての事務所がある。まわりが田んぼだらけだった時代には、それなりに意味のある立地だったのだろう。しかし、住宅街となった現在、コメの品質検査をしていた旧食糧事務所がこの場所に必要なのかは疑問だ。

地域第一課には40人の職員がいるのだが、僕たちが視察したときにはオフィスに10人くらいしかいなかった。視察中、電話一本かかってくることもなく、けっして忙しそうには見えない。

必要性のない事務所は閉鎖して土地は売却し、さいたま新都心の合同庁舎に移転してもいいのではないか。合同庁舎の最寄り駅であるJRさいたま新都心駅と、地域第一課の最寄り駅であるJR浦和駅とは、3駅しか離れていない。

この問題については、関東農政局長と次のようなやり取りをしたが、暖簾に腕押しだった。

猪瀬 地域第一課は浦和にあるが、合同庁舎に移ってもよいのではないか。

局長 合同庁舎に入ってもよいが、スペースの関係もあって、あそこにある。場所としては合同庁舎にあってもおかしくないと思っている。ただ、現場業務を行ううえでの第一課なので、分かれることも不思議ではない。

猪瀬 スペースはゆとりが充分あるように僕には見えるが、どうしてそうしないのか。

局長 スペースについては、職員数としては広すぎないと聞いている。

猪瀬 浦和の地域第一課は40人くらいだ。合同庁舎のなかに40人くらい入ることはできる。

おそらく、全国各地にある地域課も同じような状況だろう。時代に合わなくなった出先機関は廃止すべきである。そういうことを強く感じさせる風景だった。

(全 7 ページ中 5 ページ目を表示)

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る