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「北海道開発予算の総額は従来と同様、必要な額が確保されるべき」とした上で、「地方分権することで公共事業の執行を住民が監視する仕組みとする」と書いた。住民によるガバナンスが効く組織に変えることである。

しかし、誤解している人がまだまだ多い。高橋はるみ・北海道知事は「今の財政状況ではお引き受けできない」と発言している。北海道開発局の予算を肩代わりさせられると思っているのだろう。「猪瀬私案」では、いわゆる「北海道特例」によって査定された国の北海道開発予算を、当分のあいだ、「北海道開発特例補助金(仮称)」として北海道庁に全額交付するとしている。

このように僕の私案では、かなり気をつかった提案をしているつもりだ。それでも反対する人は、北海道開発局が北海道庁に「吸収合併」されることを嫌っているのだろう。反対派の主張は、北海道開発局をスリム化してから北海道庁と「対等合併」しろ、である。しかし、スリム化はいつまでもできないから、結局、「対等合併」はできない。巧妙な改革つぶしだ。「猪瀬私案」はそれを読み込んでの提案である。

まずやるべきなのは、北海道開発局の廃止である。北海道庁に現状のまま「吸収合併」されることで、仕事の無駄や重複がはっきり見えてくる。そうすれば、北海道庁のガバナンスで組織は自然とスリム化できる。

地方分権改革推進委員会が秋に出す第2次勧告は、国家公務員33万人のうち21万人が働いている出先機関がメインテーマである。もちろん北海道だけでなく、全国の出先機関がその対象だ。北海道開発局問題は、出先機関改革の機運を盛り上げる起爆剤となるだろう。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『道路の決着』(文春文庫)がある。

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