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僕は「地方財源追加所要額試算」という資料も委員会に提出している。

「現行制度を前提として国道直轄区間を都道府県に移管すると、直轄国道と補助国道の国費率の差(65%-42.5%=22.5%)を新たに地方に財源措置する必要がある。国土交通省は直轄国道の15%を地方に移管してもいいと言っているので、それを計算してみた。1兆8000億円の直轄国道の事業費に15%を掛けて2700億円。そこに国が地方に移管したときの差22.5%を掛けると600億円。つまり、これが国から地方に移譲される財源になる。同じにように計算し、3分の1を移管すると1400億円。2分の1を移管しても2000億円にしかならないことが分かった」

「現行制度で地方が国から15%くらいもらっても、金目にしては600億円にしかならない。国土交通省は15%も地方移管すると言い、大盤振る舞いを見せているつもりだろうが、やっぱり根本的にはほとんど彼らには痛みが伴ってこない」

税源移譲のアイデアのひとつとしては揮発油税の暫定税率相当分を地方に税源移譲する揮発油(ガソリン)引取税という道筋を示している。これについては第40回で詳しく触れたのでお読みいただきたい。

税の名称が問題なのではない。補助金や交付金によって縛られ、国民の見えないかたちで道路特定財源が使われつづければ、ほんとうに必要な道路にも財源は回らなくなる。この複雑怪奇な道路特定財源の世界を変えること。国民が見える世界に整理するために、中央統制的な財源配分から脱しなければならない。ガソリンと道路整備の受益と負担の関係ではなく、地域における行政サービスの受益と負担の観点に発想を転換してする必要がある。また、道路建設や管理にとどまらず、教育や福祉にも有効に活用できる仕組みに改革していくことだ。

僕が「国庫補助負担金制度の抜本的見直しを含めた新しい税財政制度を構築」の一文を入れたのは、地方分権改革が「霞が関」の解体へと向かうという意志を示す必要があるから。

これからは、地方整備局など出先機関をどこまで整理・縮小するかが勝負である。そのためには整理・縮小に見合った税財源をどれだけ地方に移すことができるかだろう。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京大学客員教授、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『東京からはじめよう』(ダイヤモンド社)がある。

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