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東京都には日本の人口の1割が住んでいる。単純計算すると、10%のシェアがあっていい。しかし、都心は公共交通が発達しており、必ずしもクルマが生活必需品とは言えず、ガソリンスタンドは多くない。クルマ社会の地方のほうがシェアが高くなるだろう。東京独り勝ちでないからこそ、まずは東京から提案しているのである。

「揮発油引取税」は、各都道府県の独自課税だ。だから税率は、各都道府県の知事と議会と住民が相談して決めればいい。「暫定税率の期限切れで減る25円のうち10円分を課税する。15円分は住民に還元しよう」とか「25円を課税して福祉に回す」という都道府県があってもよい。

法定外税にはいくつかハードルを超えなければならない。県境のガソリンスタンドは微妙な位置に立たされる。しかし東京発の提案が各地にドミノ倒しのように広がっていけば、地方への大幅な税源移譲のうねりになる。財源があれば、国土交通省のヒモ付き補助金をもらい、押しつけ規格の不必要に大きな道路をつくる必要もなくなる。

もちろん、暫定税率が衆議院の3分の2の多数決で再議決されるかもしれない。それでも霞が関を解体しても、地方自治体は納税者に対して自ら説明をし、自ら政策を実行できるのだ、という明快なメッセージを発することができる。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京大学客員教授、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『東京からはじめよう』(ダイヤモンド社)がある。

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