B路線は、国交省が勝手につくる“高速道路”
さらに話をわかりづらくしているのが赤の部分。一般国道の自動車専用道路で「B路線」と定義されるものである。ここには有料の第三京浜や本四道路、無料の保土ヶ谷バイパスなどが含まれる。信号もすくなく、外見ではまったくふつうの高速道路と変わらない。有料、無料の両方がある。キューサンヨンニイやイチイチゴーニイマルに入りきらないものを「B路線」として道路局の決裁だけで自己増殖している。
「A'路線」や「B路線」を建設する財源は道路特定財源だ。2002年のデータでは、国負担6520億円、地方負担2340億円、合計で8860億円もの税金を投入した。当時の日本道路公団が「A路線」であるキューサンヨンニイに年間約9000億円を投資していたので、それに匹敵する驚くべき数字だ。
道路公団民営化は、国土交通省と道路公団という「官」の側に独占されている情報を国民の側に開示させる改革だった。採算性もB/Cもキロあたり建設費も、すべての路線や区間のデータを一覧できるかたちで開示し、国土交通省の密室で決められていた道路整備を、白日のもとにさらした。
道路特定財源は暫定税率を維持しつつ、一般財源化すべきである
“高速道路”は道路公団だけがつくっているわけではない。道路公団民営化で9342キロの内側は改革した。基本的に通行料金収入だけで経営をしている。しかし、国土交通省はいまだに、道路特定財源をつかって“高速道路”をつくっている。ムダを排するインセンティブが働きにくい。それが、「A'路線」と「B路線」で、これを減らすため、小泉首相時代に道路特定財源の一般財源化を提案した。道路への投資額を削れば、9342キロ以外の高速道路の増殖を抑えることができるから。
国交省は道路特定財源という“打ち出の小槌”を維持したい。それさえあれば、自分たちはいつまでも道路をつくりつづけることができるから。しかし、財源がなければないなりに仕事をする。足りないくらいにしておくと、無駄な道路はつくれないし、つくらない。道路財源を一般財源化する過程で、ほんとうに必要な道路のみに自ずから絞り込まれていく。
いまの59兆円騒ぎは、国交省が“小泉不在”の隙を衝いて失地回復を始めたということ。みな、何がどうなっているか、意味がわからずに騒いでいるから問題なのだ。
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