動きの遅い中央政府よりも都市国家のほうが速いスピードで政策を打ち出せる
26日土曜日の公開セッションは、代表者が壇上にあがり、聴衆の前で討論する。リビングストン市長のほかに、ジェームズ・ロジャース(デュークエネルギー社CEO)、アラン・ベックマン(フルオー社CEO)がいる。
「都市として何が可能か」と問いかけたのはリビングストンである。
「都市は購買力を持っている。省エネ型の交通信号を大量に購入することで価格を下げるなど、マーケットを大きくできる。ロンドン市では地下鉄など公共輸送機関が発達しているため、輸送部門のCO2排出は20%ですんでいる」
排出削減目標でもそうだけれど、東京も都市として日本国という国家の先を行く。僕はこう述べた。
「20世紀は国民国家の時代だった。21世紀は“都市国家”の時代ではないか。動きの遅い中央政府よりも都市国家のほうが速いスピードで政策を打ち出せる。たとえば東京は原油換算で年1500キロリットル以上のエネルギーを消費する1300もの事業所のエネルギー使用状況を把握している。データを利用して大規模事業所のCO2排出削減の義務化にも踏み切ることができる」
全国で法制化しようとすれば、財界の抵抗としがらみで動けなくなる。エネルギー企業のロジャースCEOは都市の試みをこう評価した。
「途上国で新しい都市をつくるときに、ロンドンや東京の経験を盛り込んだビジョンをもって都市づくりをしていくべきである」
別に条約を決めるわけではない。結論は厳密なものではない。それだけにダイナミックな議論もできた。世界のとりくみから東京と日本が何を学べるか、東京と日本が何を世界に発信できるか。心配なのは今年の洞爺湖サミットにおける日本政府の意気込みである。
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