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一般財源化と暫定税率の廃止を阻止しようとする悪しき道

もう一つの悪しき道の話をしよう。それは、暫定税率を維持したままで道路特定財源は一般財源化せずすべて道路建設に使い切ろうという道だ。

2006年6月1日に国土交通省が発表した「道路整備の中期ビジョン」は、「今後10年で道路整備に58兆円を使う」との旨を明記していた。道路特定財源の1年当たりの税収は5兆8000億円。毎年全部使い切ったとして、10年間でちょうど58兆円。とにかく使い切ろうという数字である。

国交省の言い分は、自民党の道路族議員たちが整備をもとめてきた道路建設を前提に、国道や地方道も含めて、ありとあらゆる道路計画を寄せ集めて積み上げたものだ。国交省の言い値でつくれば、それだけの金額が必要になるかもしれない。しかし、必要のない道路もたくさんある。さらに、必要な道路にかかるコストを下げる努力も大切だ。

この中期ビジョンが発表された当時、僕は「今後は中期計画の策定を監視しなければならない」と提案した。そうでなければ一般財源化どころではなくなってしまう。政府は取りあえず2000億円を一般財源化したが、その額を増やしていかなければならない。安倍前首相も同じ考えだった。

そんな空気を読んだ国交省は、今年11月13日に、2008年度から10年間の道路建設方針を示す「道路の中期計画」を発表した。10年間で68兆円を道路に費やすという内容だ。昨年の「道路整備の中期ビジョン」で提示した58兆円が68兆円と10兆円も増えているのだ。

これは1987年に閣議決定した各路線の必要性を再点検する方針に転換したからだ。国交省は、「計画中の高規格道路1万4000kmをすべてつくる。それには65兆円が必要だ」とふっかけているのである。さらに、「高速道路値下げの原資」という名目で3兆円を上乗せし、合計68兆円にしている。

1万4000kmの高規格道路とは国交省が管理する“高速道路”のこと。旧道路公団が管理していた“高速道路”を「高速自動車国道」と呼び、国交省が管理するものを「高規格道路」と呼ぶ、と考えればよい。通行台数が少なく、料金を取っても仕方がないような道路や、何かしらの事情で高速道路の建設計画に入らなかった道路も、高規格道路の計画に含まれている。

「道路整備の中期ビジョン」にあった「58兆円」は、道路特定財源5兆8000億円の10年分ということ。従来の計画をなんら変更するものでなく、非常にごう慢な数字だと思った。しかし今回は68兆円と“超”ごう慢になっている。特定財源をすべて使い切るのみならず、さらに10兆円がかかるという。「だから、一般財源化や暫定税率を廃止する余地など、とてもない」とのパフォーマンスなのだが、いささか品がない。

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