このページの本文へ
ここから本文です

ある程度の株を所有し発言権を維持しないと、一元化は永久にできない

今後、東京都は国と戦うことになるだろう。

国は、保有する東京メトロ株式53.4%を、全部売却することを検討している。「特殊法人等整理合理化計画」が閣議決定された翌年、「東京地下鉄株式会社法」が公布・施行となった。この随則第2条は「国および地方公共団体はできるだけ速やかにこの法律の廃止(会社設立の実施)と保有する株式の売却」を指示している。そして東京メトロは、副都心線開業後、2009年までに株式上場を目指すと中期経営計画に明記している。これを受けての検討だ。

売却額は1000億円超とも言われる。財政難の折、財務省はのどから手が出るほど、この収入を欲しがっているのではないだろうか。しかし、短絡的なロジックで売却すれば、後々まで国民が犠牲になりかねない。

石原慎太郎都知事は10月12日金曜日の会見で「必ずしも全部を売却するつもりはない」と述べた。「東京メトロと都営地下鉄が合併しないとニーズに応えられない。それを実現するためにも一定の株式は保有しつづける」ということだ。

東京都が持っている株式を売るか売らないかは、こちらに決める自由がある。一元化のために、筆頭株主という立場をできるだけ有効に使うつもりだ。

猪瀬 直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京大学客員教授、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『東京からはじめよう』(ダイヤモンド社)がある。

(全 5 ページ中 5 ページ目を表示)

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る