幼保一元化を阻む縦割り行政の“供給”発想
今回は、幼稚園と保育所の施設や運営を一体化する「幼保一元化」の議論をケーススタディに、「縦割り行政とはいったい何なのか」を読み解いていく。
幼保一元化とは、幼稚園に保育所の機能を持たせること、逆に保育所で幼児教育を施せるようにすること、である。現状は、幼稚園は少子化で定員割れに悩み、保育所は足りず2万人近い待機児童の解消を迫られている。
それぞれの児童数は対照的に変化してきた。1998年を境に幼稚園と保育所の園児の数が逆転した。その後、幼稚園児の数は右肩下がりで減少。保育所入所児は増加。2005年には、幼稚園児数174万人に対して、保育所入所児数212万人と大きく差が開いた。子供の数が減少しているにもかかわらず、保育所入所児の数だけが増加しているのである。
女性の社会進出と共働きの家庭が増えたことが原因と考えていいだろう。戦後の結婚後の女性のライフスタイルは、基本的に専業主婦だった。専業主婦なら、お昼過ぎに子供が家に帰ってくる幼稚園に通わせていても問題はなかった。しかし、共働きとなればそうはいかない。お昼過ぎに子供が家に帰ってきても面倒をみることができない。
幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省の管轄
幼稚園と保育園の違いとは何か。
幼稚園が扱うのは「満3歳〜就学前の幼児」で保育時間は「4時間を標準」としている。根拠法令は「学校教育法」だから施設の性格は「学校」。となると、監督官庁は「文部科学省」である。
保育所が扱うのは「0歳〜就学前の保育に欠ける児童」で保育時間は「8時間を原則とし、延長保育にも対応」することになっている。根拠法令は「児童福祉法」だから施設の性格は「児童福祉施設」。監督官庁は「厚生労働省」なのである。
幼稚園と保育所は「全く違う施設」が両省の言い分だ。
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