東京都ベンチャー技術大賞〜民のアイデアを都がサポート
今回は「東京都ベンチャー技術大賞」の話をしてみたい。これは小さくても世界に通用する技術を持ったベンチャー企業が開発した革新的な製品を、東京都が表彰してその功績を讃え、ビジネスを応援する制度だ。大賞1件、優秀賞2件程度、奨励賞3件程度を選出する。それぞれに、300万円、150万円、100万円を進呈する。
2007年の表彰式は10月25日。115件の応募があり、8件が賞の候補としてノミネートされている。
いずれも「モノづくり大国日本」の名に恥じない興味深い技術。どれが大賞を受賞してもおかしくない。この機会に紹介したい。
糖尿病治療に朗報、無菌ウジが壊死した組織を食べる
僕が最も興味を惹かれたのは、バイオセラピーメディカル社が開発した『マゴットセラピーシステム』。ハエの幼虫(ウジ)が動物の壊死組織だけを摂取する性質を利用して、人体の難治性創傷を治療するシステムだ。
使うウジはヒロズキンバエのマゴット(医療用無菌ウジ)だ。体長1mm、太さ0.5mm程度で、1平方センチメートルあたり5〜10匹を目安にキズの表面に置いていく。その後、包帯やガーゼでキズの表面を覆う。

左から、治療前、治療中、治療後
最も特徴的な治療は、糖尿病のために壊死した足を救うことだろう。実際、この治療を受けた24症例のうち88%で足の切断を回避できた。
写真を見るとわかる通り、糖尿病が進行すると、足はどす黒く変色し肉は腐り壊死していく。これは、合併症によって、手や足のなど体の末端の血管がふさがってしまい、栄養が行き届かなくなるからだ。僕の周りにも糖尿病が原因で足を切断した人間がいる。
この治療法は、無菌ウジが腐った部位を食べることによって、壊死した部分のみを除去できる。足があれば自立歩行も可能だし、医療費も削減できる。患者の生活の質は、切断されたケースよりも大幅に向上するから余命も長くなる。
糖尿病は恐ろしい病気だ。日本人の1割くらいは糖尿病または糖尿病予備軍と言われているから、この技術のマーケットは少なくない。
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